Together Linkは、対応エージェントからTogetherがホストするモデルへ処理を振り分ける可逆的なランチャーです。macOSとLinuxで利用できますが、モデルの品質と安定性については利用者自身で見極める必要があります。
Together Linkで変わること
Together AIの連携レイヤーであるTogether Linkは、対応するターミナルエージェントやデスクトップエージェントを、通常の設定を維持したままTogetherがホストするモデルで起動します。
ベータ版では、ワンコマンドでのインストール、設定の可逆性、自動ルーティング、利用状況の可視化が提供されます。一方で、独立したコーディングベンチマークや稼働率の保証はありません。
対応範囲を確認する:エージェント、OS、モデル
現時点の対応範囲は試してみるには十分広いものの、汎用的なモデルゲートウェイと呼べるほどではありません。
| 項目 | 公式に確認できる対応 | 実際の制約 |
|---|---|---|
| ターミナルエージェント | Claude Code、Codex、OpenCode、Pi Code | OpenCodeはOpenCode 2、Pi Codeは0.80.8以降が必要 |
| デスクトップエージェント | Claude Desktop(Coworkを含む)、ChatGPT Desktop | デスクトップクライアントでは可逆的なTogether Linkプロファイルを使用 |
| 対応OS | macOS、Linux | 公式のベータ版ドキュメントにWindowsの対応は記載されていない |
| 対応モデル | Kimi K3、GLM 5.3、GLM 5.3 Flash、DeepSeek V4.1 Flash | 初期カタログは無制限ではなく、選定されたモデルに限られる |
| コンテキスト長 | リリースノートに記載された4モデルで100万トークン | コンテキストウィンドウが大きくても、コーディング品質やレイテンシーが保証されるわけではない |
バージョン要件や対応環境については、公式のTogether Linkドキュメントを確認してください。
既存環境を残したまま導入できる
インストール手順は短くまとまっています。ただし、実行前にインストーラーのソースを確認しておくと安心です。
- ランチャーをインストールします。
curl -fsSL https://link.together.ai/install | bash
- 対話式ランチャーを起動します。
togetherlink
tclaude、tcodex、topencode、tpiなどのエージェント用ラッパーを使うか、公式に記載された--mainオプションでセッション中のモデルを固定します。
togetherlink --main moonshotai/Kimi-K3 claude
Together LinkではTogetherのAPIキーを使いますが、通常のエージェント設定には手を加えません。デスクトップクライアントでは可逆的なプロファイルを利用するため、既存環境を捨てずにルーティングだけ試せます。
公式リリースノートには、tclaude -p、tcodex exec、topencode run、tpi -pといったヘッドレス実行用コマンドも記載されています。ただし、CI向けの信頼性やセキュリティについて、個別の保証は示されていません。
ルーティングと課金の仕組み
Togetherの製品ページでは、ランチャーは無料で、MITライセンスで提供されると説明されています。モデルの呼び出しはTogetherアカウントを通じて、該当するサーバーレス料金で課金されます。公式のローンチ資料では、オープンモデルへのルーティングによってOpus 5.5を基準に50%以上支出を減らせるとしていますが、再現可能なワークロードや独立した請求額の検証結果は示されていません。この割合は、自分のプロジェクトにそのまま当てはまる予測ではなく、ベンダー側の主張として捉えるべきです。
ベータ版では、利用状況をいくつかの方法で確認できます。
| コストの確認場所 | 確認できる内容 |
|---|---|
| セッションレシートと利用状況ツール | 終了時の推定コスト、Claude Codeのステータスラインに表示される支出、セッションをまたいだ利用額 |
| エージェントのモデル選択 | 自動ルーティング、または手動で固定したモデル |
公式リリースノートによれば、Anthropic APIキーを設定したClaude CodeまたはClaude Desktopでは、ルーターが難しいリクエストをClaude Opusに送ることがあります。ただし、そのフォールバックがどの程度の頻度で発生するのか、複数プロバイダーをまたぐセッションの料金がどうなるのかは説明されていません。課金を予測しやすくしたいなら、モデルを固定したうえで、チーム全体を移行する前に代表的なワークロードを記録しておくべきです。
どんな使い方に向いているか
Together Linkを導入する理由として納得しやすいのは、新しいエージェント製品が欲しい場合ではなく、推論モデルを試したり、利用するモデルをコントロールしたりしたい場合です。
| 状況 | 適合度 | 理由 |
|---|---|---|
| Claude CodeやCodexでオープンモデルを試したい | ベータ版の用途として有望 | 使い慣れた既存の実行環境を維持でき、ルートも元に戻せる |
| スクリプト化したターミナルジョブで1つのモデルを使いたい | 試してから判断 | ヘッドレス用ラッパーは文書化されているが、信頼性やレート制限は示されていない |
| Windowsが必要 | 現時点では不向き | ベータ版ドキュメントに記載されているのはmacOSとLinux |
| 大規模で安定したモデルカタログが必要 | 適合度は限定的 | リリースノートに記載されているのは、選定された少数のモデル |
| 本番環境向けの保証が必要 | 待つか、管理されたパイロット運用を行う | ベータ版であり、サービスレベルを裏付ける情報は公開されていない |
本番利用の前に確認しておきたいこと
小規模で機密情報を含まないプロジェクトを使い、次の点を検証してください。
- タスクの品質:現在エージェントが使っているモデルと、選択したモデルを、同じバグ修正やリファクタリング作業で比較します。
- ルーティングの挙動:自動選択が自分のワークフローで十分予測可能か確認し、そうでなければモデルを固定します。
- コストの挙動:セッションレシートと
togetherlink usageの出力を確認し、自分で設定したトークン予算と比較します。 - 障害時の処理:Togetherのモデルが利用できない、レート制限に達する、エラーを返すといった場合に何が起きるかをテストします。
- データの取り扱い:送信するコードやプロンプトについて、Togetherが現在適用している保持期間とプライバシー条件を確認します。
- ロールバック:ネイティブのエージェント経路を残し、元の認証情報、拡張機能、MCPサーバー、セッション履歴が期待どおり動作することを確認します。
Together Linkについてよくある質問
Together Linkは無料ですか?
ランチャーは無料のオープンソースソフトウェアとして案内されていますが、モデルの推論料金はAPIキーを使ってTogether AI経由で課金されます。インストールが無料でも、コーディングエージェントの利用まで無料になるわけではありません。
Together LinkはWindowsで動作しますか?
現在のベータ版ドキュメントに記載されているのはmacOSとLinuxです。Windows対応は文書化されていないため、互換性があると考えてはいけません。
Together Linkが対応するコーディングエージェントは?
公式に記載されている環境は、Claude Code、Codex、OpenCode、Pi Code、Claude Desktop(Coworkを含む)、ChatGPT Desktopです。
Autoではなく、モデルを1つ選べますか?
選べます。リリースドキュメントにはモデルを固定する--mainオプションが示されており、対応エージェント側に独自のモデル選択コマンドが用意されている場合もあります。
Together Linkで既存の設定は置き換えられますか?
公式の説明では、通常の設定はそのまま維持されます。デスクトップアプリケーションでは可逆的なプロファイルを使いますが、自分の環境でロールバックできることを確認しておくべきです。
Together Linkは本番利用できる状態ですか?
まだベータ版です。評価する場合は管理されたパイロット運用にとどめ、ルーティングの品質、課金、障害からの復旧が許容範囲に収まることをリポジトリ単位のテストで確認するまで、重要な作業ではネイティブのエージェント経路を維持してください。