Seedream 5 Proで、画像自体はきれいなのに見出しが間違っていたり、顔が別人になったり、レイアウトが詰まりすぎたりするなら、形容詞を増やすのはたいてい正解ではありません。必要なのは、プロンプトをデザインブリーフとして扱うことです。画像の目的を定め、各参照画像に役割を与え、変えてはいけない要素と変更してよい要素を切り分けます。ブリーフには中国語が便利な場合もありますが、画像内に入れる正確な文言やレイアウト指示には、より細かな指定が必要です。
Pro向けプロンプトはLite向けと何が違うのか
ByteDance SeedはSeedream 5.0 Proを、情報量の多いレイアウト、対話的な編集、リアルな質感、多言語生成に対応したマルチモーダル画像モデルとして位置づけています。公式発表では、10以上の主要言語に対応し、レイヤー分離、参照画像の融合、文字量の多いデザインを特徴として挙げています(ByteDance Seed)。
だからといって、どんなプロンプトでも自動的に良くなるわけではありません。ポスターの階層構造、商品ラベル、参照人物、同じシーンに登場する複数の被写体など、複数の要素の関係性を保ちたいときにこそ、Pro向けの考え方が効いてきます。まずは素早くビジュアルを試したい場合は、Seedream 5.0 Liteのプロンプトガイドが引き続き参考になります。ここでは、Proで問題になりやすい制御方法に絞ります。
用途ごとの違いは、次のように整理できます。
| タスク | 優先する指示 | 最初に指定するもの |
|---|---|---|
| 自由なコンセプト探索 | 被写体と雰囲気 | 短い自然言語のブリーフ |
| 商品またはポートレート画像 | アイデンティティ、素材、カメラ、光 | 参照画像と保持ルール |
| ポスターまたはインフォグラフィック | 読み順、文字、余白 | スタイルより先にレイアウト仕様 |
| 複数人物または複数商品のシーン | 参照画像の役割と固定要素 | 番号を振った被写体と「ここだけ変更」の指示 |
「数回の小さな編集だけで品質が落ちた」— u/NoSolution1150、Redditの議論
これはベンチマークではありません。ただ、制御されていない編集が制作上のリスクになり得ることを示す報告ではあります。
Pro向けプロンプトの基本形:形容詞より先にブリーフを書く
新しい画像を作るときは、次の順番で組み立てます。
- 被写体:何を登場させるのか。
- 目的:商品メインビジュアル、教材カード、エディトリアルポートレート、キャンペーン用パネルなど、何のための画像なのか。
- 構図:カメラ位置、視線の流れ、トリミング、前景、背景、ネガティブスペース。
- スタイル:表現手法、素材、ライティング、配色、写真としての処理。
- 制約:正確な文字、言語、アスペクト比、参照画像、変更してはいけない要素。
ReplicateのSeedreamプロンプト解説でも、全体としては似た順序が使われています。ここで重視したいのは、制約を制作上のチェック項目として扱うことです。
次のテンプレートを使ってみてください。
[対象ユーザーまたは用途]向けの[成果物]を作成する。
メインの被写体は[被写体と動作]。
[構図、カメラ位置、視線の階層、ネガティブスペース]を使う。
[素材、ライティング、配色、スタイル]で描写する。
参照画像1は[具体的な役割]に使う。
[固定する要素]は変更しない。
[短いコピー]という正確な文字列を[言語]で、[位置]に入れる。
出力は[アスペクト比]。ロゴや余計な文字は追加しない。
「masterpiece」「8K」といった言葉や、互いに競合する6種類ものアートスタイルを追加しても、プロンプトが良くなるわけではありません。レイアウトが崩れるならレイアウトを直す。顔が変わるならアイデンティティの保持を指定する。文字が間違うなら、文字量を減らすか、文字の問題だけを切り分ける。問題に応じて指示を修正しましょう。
中国語プロンプトが有効な場面と、過信できない場面
文化的に固有の物、人物同士の関係、あるいは編集手順などは、中国語のほうが自然に表現しやすい場合があります。
ただし、中国語で指示すれば中国語の文字組みまで正確になる、と考えるのは危険です。プロンプトの言語と、画像内に描かれる文字は別の要件です。次のように分けて書きます。
主体:一位穿深蓝色工作服的茶艺师,在木质茶室中准备茶汤。
用途:面向成年初学者的茶文化教育海报。
布局:人物位于右侧三分之一;左侧保留大面积浅米色留白。
文字:只渲染以下简体中文标题:“六大茶类”。标题置于左上角,深绿色粗体。
约束:不要添加其他文字、品牌、印章或水印;保持人物双手和茶壶完整。
画幅:4:5。
中国語のコピーを入れる場合は、必要な文字列を短くし、正確な文言をそのまま引用符で囲み、使用する文字体系、配置、階層を指定します。長い段落、小さなラベル、情報量の多いバイリンガルのコピーは、完全に再現できる機能というより、レイアウト上のリスクとして扱うべきです。ByteDanceは公式発表で多言語生成を機能として紹介する一方、細かな文字の描画にはなお改善の余地があることも認めています(公式発表)。
文字とレイアウト:読み順までプロンプトで指定する
ポスターに対して「広告を作って」とだけ指示するのは曖昧すぎます。モデルがデザイン全体を勝手に組み立てるため、不要なキャッチコピーやロゴまで追加されがちです。代わりに、画面上の設計図を伝えます。
- 成果物の種類と対象ユーザーを明記する。
- 見出しは引用符で囲む。
- 見出し、サブタイトル、バッジ、被写体の位置を指定する。
- 読み進める順番を示す。
- 後から文字を追加する可能性がある場所には、十分な余白を確保する。
- 勝手なコピーが使えない成果物になる場合は、「余計な文字を追加しない」と明記する。
たとえば、次のように書きます。
通勤者向けの縦長4:5カフェキャンペーンポスター。明るい石のカウンターの上に、アイスコーヒーのグラスを2つ置き、画面下半分の中央に配置する。上部に大きな見出し「COLD BREW WEEKEND」を1行で配置。濃いネイビーのサンセリフ体。見出しの下に小さく「JUNE 24–30」と入れる。上部25%は混雑させず、2つの文字ブロックの周囲には十分な間隔を確保する。柔らかな朝の窓光。ロゴ、余計な単語、透かしは入れない。
制作で最も安全なのは、2段階に分ける方法です。まず短いコピーで構図を作り、次に間違った文字だけを編集するか、最終的な文字組み用の余白を残します。インフォグラフィックでは特に重要です。公式ページには、6種類の茶カテゴリー、16パネルのストーリーボード、16:9のインターフェースなどの例が掲載されています。ただし、これらは文字の正確さやレイアウトの再現性を測定した保証ではありません。
複数の被写体を一貫させる:役割を割り当て、固定要素をロックする
複数の人物や商品を登場させるときは、番号を振りましょう。「全員の一貫性を保つ」とだけ書いても、何を維持すべきかモデルには伝わりません。
参照画像1は人物Aの顔、髪型、緑のジャケットを指定する。
参照画像2は人物Bの顔、髪型、クリーム色のセーターを指定する。
人物Aを左、人物Bを右に配置する。
2人のアイデンティティ、服の色、身長の比率は変更しない。
変更するのは、舞台を夕暮れの雨に濡れた東京の街にすることだけ。
左上から差し込む1つの光源を2人に共有させ、双方の反射表現を揃える。
3人目の人物を追加しない。どちらの顔も変えない。アクセサリーを複製しない。
商品キャンペーンでは、モデルや環境とは別に、商品の形状、ラベルの位置、キャップの色、ロゴの扱いを固定します。出力が崩れたときは、プロンプト全体を書き直す必要はありません。修正したい部分だけを指定します。
構図、カメラアングル、ライティング、背景、人物Aは変更しない。
人物Bの顔だけを参照画像2に合わせ、クリーム色のセーターを元に戻す。
ポーズ、トリミング、手、文字は変更しない。
この「ここだけ変更する」という書き方は、否定的な形容詞を長々と並べるより有効です。コミュニティで指摘されている制限とも重なります。Pro、Lite、4.5でアイデンティティの保持性能に差があるのか、編集を繰り返すと品質が落ちるのか、といった疑問は繰り返し出ています。これらはワークフロー上の問題であり、1つのプロンプトですべて解決できるという話ではありません。
実用的な初期設定
公開されている情報からは、ワークフローに役立つ設定の目安は得られますが、Pro向けの万能なパラメーター設定が示されているわけではありません。ByteDanceの作例には4:5、9:16、16:9が登場し、Dream5やSeedream5Pro.coのガイドでは、作例のワークフローに2Kを使っています。いずれも出発点として扱い、品質を保証する基準だとは考えないでください。
| 判断項目 | 実用的な初期値 | 理由 |
|---|---|---|
| ラフな探索 | 利用できる最も低い解像度 | レイアウトを確定する前の反復を速くするため |
| 最終ポスターまたは商品素材 | 対応していれば2K | 文字、輪郭、素材のディテールを確認しやすくするため |
| ポートレートまたはモバイル向けポスター | 4:5または9:16 | 縦方向の被写体の階層を保ちやすいため |
| バナー、UI、プレゼンテーション | 16:9 | 横方向のレイアウトやパネル用の余白を確保できるため |
| 情報量の多いインフォグラフィック | セクション数を減らして始める | 混雑を抑え、文字を確認しやすくするため |
すべてのプロバイダーに当てはまる「最適」な数値を、根拠なく推測しないことも大切です。インターフェースによって、サイズ設定、モデレーションの挙動、参照画像の上限、料金は異なります。生成前に最終的なアスペクト比を決めておきましょう。最終フレームに合わせてモデルが構図を組み立てられるため、後から大きくトリミングする必要が減ります。
そのまま使えるPro向けレシピ3選
1. 中国語のエディトリアルポートレート
中国のデザイン誌向けのエディトリアルポートレート。40代の陶芸家が、淡い色の粘土作品を並べた作業台のそばに立ち、カメラから少し視線を外している。ミディアムショット。人物は右側3分の1に配置し、左側にはキャプション用の静かなネガティブスペースを残す。カメラ左側から柔らかな北向きの窓光。自然な肌の質感、落ち着いた翡翠色と温かみのあるアイボリーの配色、ドキュメンタリー写真、リアルな手。左上の空いたスペースには短い中国語タイトル「手作与时间」だけを描画する。読みやすい濃い緑色の文字。他の文字は入れない。4:5。
顔、手、タイトルの綴り、そして左側の余白が実際に使える状態で残っているかを確認します。
2. 文字量の多い教育ポスター
中学生向けに水循環を説明する1ページの教育ポスター。読み順に沿って、蒸発、凝結、降水、集水の4セクションを明確に分ける。シンプルなラベル付き図解と、各段階をつなぐ矢印を使う。温かみのある白を背景に、濃いネイビーと淡いブルーで構成する。余白を十分に取り、英語ラベルは読みやすくする。上部に正確なタイトル「THE WATER CYCLE」を入れる。ラベルはすべて短くし、余計な段落は作らない。3:4。すっきりした教室向けインフォグラフィックのスタイル。
ビジュアルの雰囲気を評価する前に、矢印の方向とラベルの綴りを確認します。
3. 2人の人物を使った商品キャンペーン
高級感のある4:5のスキンケアキャンペーン画像を作成する。参照画像1は、琥珀色のボトルの正確な形状とラベル位置を指定する。参照画像2は、モデルの顔と髪型を指定する。暖かみのある石灰岩のスタジオで、ボトルの後ろにモデルを配置し、片手をボトルの横に添える。モデルとボトルは中央に置く。ボトル、ラベル、顔、手の位置は変更しない。左上から柔らかな日光を当て、ボトルには制御された反射を入れる。右側には後からコピーを追加できるクリーンなネガティブスペースを残す。余計な商品、ロゴ、スローガン、透かしは入れない。
ボトルが主役として残っているか、ラベルを読み取れるか、合成後もモデルのアイデンティティが維持されているかを確認します。
5分でできる生成前チェックリスト
- 最初の一文で、単なる雰囲気ではなく成果物の種類を示しているか。
- すべての参照画像に、明確な役割を1つずつ与えているか。
- 正確な文字列を引用し、確認しやすい長さに抑えているか。
- 編集時に変更してはいけない要素を指定しているか。
- 生成前にアスペクト比を選んでいるか。
- キャンバスに無理なく収まる量より多くのレイアウト要素を詰め込んでいないか。
- 失敗したとき、修正すべき目に見える問題を1つに絞って説明できるか。
Proで重要なのは、はっきりしたトレードオフです。デザイン指向の制御機能があるからこそ、構造化したブリーフの価値は高まります。一方で、文字、アイデンティティ、編集範囲を人間が確認する必要までなくなるわけではありません。素早いコンセプト探索にはLiteを使い、画像内の関係性や制作上の制約そのものが重要な場合はProを使う。この使い分けが基本です。