Seedance 2.5のプロンプトは、長い演出文ではなく短い「ショット指示書」として書くのが扱いやすい。シーン、動作の流れ、カメラ、音、維持したい条件の順に指定する。以下のテンプレートは、プロンプト欄、参照素材、モデル選択、尺の設定を備えた現行のDreamina Seedance 2.5 workflowを前提にしている。特定のフレームや音声結果を保証するものではなく、まず試すための出発点として使ってほしい。
キーワードを並べず、ショット設計として書く
指定する順番は、画面に映る主役、動作の段階、カメラ、音、不変条件の5つ。このモデルでは、汎用的で映画的な一文を頼むより、ショット単位で要件を整理したほうが意図を伝えやすい。
[FORMAT AND LENGTH]. [SUBJECT] in [SETTING] at [TIME].
Action beats: [BEAT 1] -> [BEAT 2] -> [BEAT 3].
Camera: [SHOT SIZE], [MOVEMENT], [FOCUS CHANGE].
Look: [LIGHTING], [COLOR], [LENS OR DEPTH OF FIELD], [MOTION STYLE].
Audio: [DIALOGUE IN QUOTES], [SOUND EFFECTS], [MUSIC OR SILENCE].
Keep [IDENTITY / PRODUCT / LOCATION] consistent. Avoid [UNWANTED ELEMENTS].
30秒のシーンなら、0〜8秒を導入、8〜22秒を主なアクション、22〜30秒を見せ場または締めに割り当てると組み立てやすい。
Seedance 2.5で使えるプロンプトの7要素
より細かくコントロールしたいときは、次の7項目を埋める。調整時は一度に全部を変えず、変数をひとつずつ編集する。
| 項目 | 書く内容 | 記述例 |
|---|---|---|
| 形式 | アスペクト比、尺、ショット形式 | 16:9, 30-second single continuous shot |
| 主役 | 中心となる人物、物、グループ | a ceramic pour-over coffee set |
| 舞台 | 場所、時間帯、物理的なディテール | a quiet kitchen at blue hour |
| 動作 | 順序のある動きと結果 | water blooms, coffee drips, steam rises |
| カメラ | フレーミングと動き | slow tabletop push-in, then a close-up |
| ルック | 光、色調、質感、動きの印象 | soft window light, warm neutral palette |
| 音声 | セリフ、効果音、音楽、無音 | ceramic clink, gentle room tone, no music |
環境、光、アクション、カメラワーク、雰囲気を具体的に記述しよう。抽象的な形容詞を重ねるより、画面で確認できるカメラ指示に置き換えるほうが有効だ。
アクションは見える順番で並べる
動作は同時に叶えたい要望の羅列ではなく、時系列の流れとして書く。「ランナーが橋を渡り、中ほどで止まり、スカイラインを見て、赤い旗を掲げる」なら、モデルに動きの経路が伝わる。一方、「旗を持ったドラマチックなランナーと都市のスカイライン」では、必要な素材が並ぶだけになる。
walks、turns、lifts、pours、opens、tracks、circles、lands、pausesのように、撮影できる動詞を使う。結果も重要なら、「紙が風でたわむ」「液体が光を受ける」のように、動作の後に物理的な変化を添える。
カメラ指示は対応する動作のそばに置く
どのアクションをどのカメラワークで捉えるのか、動作ごとに結び付ける。
Start on a wide establishing shot. Track beside the cyclist as she enters the market.
At the bell sound, arc around to a front three-quarter close-up.
Hold on the basket as the cyclist stops and lifts one orange toward camera.
ひとつのビートにはカメラ移動をひとつだけ対応させる。1文に複数の移動を競合させると、制御も修正も難しくなる。
そのまま使えるSeedance 2.5プロンプトテンプレート
以下は、制御のロジックを保ったまま内容を差し替えられるよう、角括弧の入力欄を残したテンプレートだ。使う際は、項目を埋めた後に角括弧を外す。
映画的なストーリーシーン
小さな物語を明確な結末まで描くための、長尺・単一生成向けテンプレート。
Create a 30-second cinematic 16:9 video in one continuous generation.
Setting: [PLACE] at [TIME OF DAY], with [TWO PHYSICAL DETAILS].
Main subject: [CHARACTER] wearing [COSTUME OR DISTINCTIVE DETAIL].
Story beats: 0-8 seconds, [SETUP]; 8-22 seconds, [MAIN ACTION AND CHANGE];
22-30 seconds, [REVEAL OR QUIET ENDING].
Camera: begin with a [WIDE / MEDIUM] shot, [CAMERA MOVE] through the action,
then hold a [CLOSE-UP / WIDE] final frame for two seconds.
Look: [LIGHTING], [COLOR PALETTE], natural motion and stable body proportions.
Audio: [AMBIENT SOUND]. Add [DIALOGUE IN QUOTES] only if spoken words are needed.
Keep the character, clothing, location, and lighting consistent throughout.
Avoid subtitles, logos, random text, extra limbs, and abrupt camera cuts.
複雑な動きを扱うなら、ビートは3つ未満に抑える。
商品広告
商品向けプロンプトでは、同一性を固定する条件と、制御された見せ場が欠かせない。「高級感のある商品カット」に頼るのではなく、素材と、商品の用途が伝わるアクションを記述する。
Create a 15-second vertical 9:16 product advertisement for [PRODUCT].
Product identity: [SHAPE], [MATERIAL], [COLOR], and [ONE DISTINCTIVE DETAIL].
Scene: [SURFACE] in [SETTING] with [LIGHT SOURCE].
Beat 1, 0-4 seconds: macro close-up of [DETAIL], with [MOTION].
Beat 2, 4-11 seconds: camera performs a slow [PUSH-IN / ORBIT] as [PRODUCT ACTION].
Beat 3, 11-15 seconds: clean hero frame, product centered, front surface readable.
Look: controlled reflections, realistic material texture, soft background separation.
Audio: [SOUND EFFECTS]. No voiceover, music, captions, or invented brand text.
Keep the product shape, color, label placement, and proportions unchanged.
完成した広告にコピーが必要なら、正確な文言を別の制約として追加し、フレームごとに確認する前提で進める。ブランドの安全性を重視するなら、生成文字に依存せず、最終的な文字組みはエディターで加えるほうが通常は適している。
参照素材ベースのキャラクターシーン
公式ページでは参照素材を用いた生成が紹介されており、@Image 1や@Audio 1といったラベルを使う例も示されている。参照素材にはそれぞれ役割をひとつずつ与える。
Use @Image 1 as the identity and face reference for the main character.
Use @Image 2 as the costume reference. Use @Image 3 as the location and lighting reference.
Create a 20-second 16:9 scene in which the character [ACTION].
Blocking: start at [POSITION], move [DIRECTION], then stop beside [OBJECT].
Camera: [SHOT SIZE] with a slow [MOVE], keeping the face visible during the main action.
Preserve the character's face, hairstyle, costume colors, body proportions, and age.
Match the lighting direction and overall palette from @Image 3.
Audio: use @Audio 1 as the rhythm reference; add [SOUND OR DIALOGUE].
Do not merge identities, change the costume, add people, or introduce text.
参照素材を使えない場合は、維持したい人物の特徴を文章で指定する。ただし、見えていない細部まで保持するよう求めてはいけない。
Image-to-Video用モーションテンプレート
与えた画像を映像の出発点として維持したいなら、image-to-videoを使う。構図とアイデンティティは画像に任せ、プロンプトでは動き、カメラ、時間配分、音に集中する。
Use the supplied image as the opening frame. Preserve the subject's identity,
silhouette, colors, clothing, product shape, and overall composition.
Create a [DURATION]-second [RATIO] video.
Motion: [ONE PRIMARY ACTION] followed by [ONE SECONDARY ACTION].
Camera: keep the opening framing for [SECONDS], then [CAMERA MOVE] without
changing the subject's position or inventing a new location.
Lighting: preserve the source direction and palette; animate only [DETAIL].
Audio: [AMBIENCE / DIALOGUE / SILENCE]. Avoid extra people, text, logos,
identity changes, and camera cuts.
元画像のピクセルをすべて説明し直すのではなく、固定すべきものと動かしてよいものを明示する。
ネイティブ音声付きSNSリール
縦型のSNS動画では、冒頭のフック、アクション、オチを明確に指定する。セリフはシーン説明と区別できるよう、引用符で囲む。
Create a 15-second vertical 9:16 social video about [TOPIC].
0-3 seconds: open on [VISUAL HOOK] with a fast but readable push-in.
3-11 seconds: [SUBJECT] performs [ACTION] in three clear movements.
11-15 seconds: end on [PAYOFF] and hold the final composition for one second.
Use bright [LIGHTING STYLE], [COLOR PALETTE], and stable handheld motion.
Dialogue: the subject says, "[SHORT LINE]" once, with natural lip sync.
Sound: [SOUND EFFECTS] under the voice. Use [MUSIC STYLE] at low volume.
Keep the subject centered in the safe area. Avoid subtitles, watermarks,
extra dialogue, crowd noise, and cuts that hide the main action.
音楽を後編集で追加する場合は、必要なアクション音だけを含む無音の映像として生成を指定する。
尺・カメラ・参照素材・音声をコントロールする方法
プロンプトはクリエイティブ上の指示を担う。一方、尺やフォーマットなどのレンダー設定は、利用するインターフェースまたはAPIの仕様に左右される。
尺とテンポの考え方
| 目的 | プロンプトの調整 |
|---|---|
| アイデアを素早く試す | 5〜10秒で、主役ひとつ、アクションひとつ、カメラ移動ひとつにする。 |
| 商品の見せ場を作る | 最後の2〜4秒は、安定したヒーローフレーム用に残す。 |
| 短い物語を作る | 3つのビートを書き、それぞれに想定する時間帯を指定する。 |
| 参照素材の多い複雑なシーン | 尺を伸ばす前に、アクション数を減らす。 |
まずはアクションを成立させられる最短の尺で試し、導入、動き、終わり方が明確になってから長くする。
使いやすいカメラ動作の表現
| 狙い | 使える表現 |
|---|---|
| 舞台を見せる | start wide, then slow push-in |
| 動く被写体を追う | tracking shot beside the subject |
| 商品の細部を見せる | macro close-up, shallow depth of field |
| ふたつの位置をつなぐ | arc from front three-quarter view to profile |
| 見やすさを保つ | hold the final frame for two seconds |
カメラ指示には、ショットサイズ、方向、速度を含める。「Cinematic camera」はルックのラベルであり、カメラワークの指示ではない。
音声の指示方法
音源、タイミング、優先順位を指定する。たとえば「被写体が近づくにつれ足音を大きくする。引用符内のセリフは1行。BGMなし」のように書く。セリフ、効果音、音楽は分けて記述する。音声参照がある場合は、単に「この音声を使う」と書かず、その役割を明記する。
duration、ratio、音声、参照素材、出力形式など、ルート固有の設定についてはSeedance 2.5 API guideを参照してほしい。
Seedance 2.5でよくある失敗と直し方
出力が狙いを外したときは、その失敗を左右している一文だけを変える。一度にすべての形容詞を入れ替えると、何が改善に効いたのか判断できない。
| 症状 | 考えられるプロンプト上の問題 | 絞り込んだ修正方法 |
|---|---|---|
| 物語が急いで終わる | アクションが多すぎ、時間指定がない | ビートをひとつ削り、残るビートに時間枠を割り当てる。 |
| ショット間でキャラクターが変わる | アイデンティティを一度しか記述していない | アクションと参照素材の指示の近くで、人物、衣装、年齢の固定条件を繰り返す。 |
| カメラが落ち着かない | ひとつの文に複数の移動が競合している | ビートごとにカメラ移動をひとつにし、最後に静止を加える。 |
| セリフが欠ける、または別の内容になる | 話し言葉がシーン説明に混ざっている | 正確なセリフを引用符で囲み、発話回数を指定する。 |
| 商品の形状が崩れる | 商品のディテールを雰囲気の一部として扱っている | 形状、素材、色、ラベル位置、変えてはいけない細部を列挙する。 |
| 不要な文字が出る | 看板、画面、ロゴから文字が暗に求められている | no generated textと書くか、正確な文字列を与え、納品前に確認する。 |
| 参照素材同士が競合する | 役割が割り当てられていない | 各参照素材を、人物、衣装、場所、動き、スタイル、音声のいずれかとしてラベル付けする。 |
反射的にネガティブプロンプトを足さないこと。「Avoid subtitles」は字幕が既知のリスクである場合には有効だが、生成崩れのリストを長くしすぎると、残したいアクションと競合することがある。
「Generic ChatGPT and Claude prompts don't match what Seedance actually wants.」— r/Seedance_AIの公開Redditディスカッションのタイトル、2026年8月12日アクセス。
生成前に確認したいプロンプトチェックリスト
Seedance 2.5へ送信する前に、次の9項目を確認する。
- 出力形式、アスペクト比、想定する尺が記載されている。
- 副次的なディテールより先に、主役が指定されている。
- アクションが起こる順番で書かれている。
- 主要なビートごとにカメラ指示がある。
- 最後のフレームまたは終わりのアクションが明示されている。
- 人物、商品、場所を維持する条件が、必要な箇所に記載されている。
- 参照素材に、ファイル名や番号だけでなく役割が与えられている。
- セリフは引用符で囲まれ、効果音とは分けられている。
- 不要な文字、ロゴ、字幕、追加人物は、必要な場合にだけ指定されている。
まずは主役ひとつ、アクションひとつ、カメラ経路ひとつから始めよう。参照素材、音声、長いストーリーを加えるのは、その核となるショットが明確になってからでよい。プロンプトは長ければ長いほど制御しやすい、というわけではない。
FAQ
Seedance 2.5のプロンプトはどれくらいの長さが適切?
主役、アクションの順序、カメラ、ルック、音声、制約を指定する。入れ替え可能な形容詞よりも、具体的な動詞のほうが通常は実行可能な指示になる。
Seedance 2.5のプロンプトは参照素材に対応している?
Dreaminaの公式ページでは、参照素材を用いた生成と、最大50件の入力を組み合わせる機能が、現行のSeedance 2.5ワークフローの一部として紹介されている。各参照素材には人物、衣装、場所、動き、スタイル、音声といった役割を割り当て、利用するインターフェースまたはAPIルートの上限を確認してほしい。
Seedance 2.5でセリフを指定するには?
話してほしい正確な一文を引用符で囲み、誰が何回話すのかを記述する。効果音は別に指定し、モデルがセリフとして扱わないようにする。
ひとつのプロンプトで30秒の動画を作れる?
Dreaminaの公式ページでは現在、ネイティブの30秒生成が案内されている。明確な終わりを持つ3つの見えるビートとしてプロンプトを設計し、実際に生成する画面で尺とアクセス設定を確認する。
ネガティブプロンプトは使うべき?
特定の失敗に対処する場合に限り、「no subtitles, no logos, no extra people」のような短く関連性のある制約を使う。長い生成崩れリストで、主なアクションの指示を置き換えないこと。