Midjourney V8.1がデフォルトモデルだった期間は、わずか6週間でした。2026年7月24日にV8.2へ置き換えられたため、現在V8.1を使うならプロンプト末尾に--v 8.1を明示する必要があります。V8.1は、主役を先に書き、パラメーターを短くまとめたプロンプトと相性が良いモデルです。一方で、美しさを優先するぶん、プロンプトの指示反映がわずかに弱くなることがあります。ここでは、その対策を4段階で整理します。
V8.1を使うなら、毎回--v 8.1を付ける
現在、Midjourney V8.1は手動で選択する必要があります。各プロンプトに--v 8.1を追加するか、Web版のImagineバー設定またはDiscordの/settingsで一度だけバージョンを指定してください。詳しい手順は公式のバージョンドキュメントに記載されています。何も指定しないプロンプトは、気づかないうちにV8.2で生成されます。Midjourneyの説明では、V8.2はより大胆でエッジの効いたモデルです。
Midjourneyの公式ドキュメントで確認できる流れは次のとおりです。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年4月14日 | V8.1をアルファ版としてリリース |
| 2026年6月10日 | V8.1がデフォルトモデルになる |
| 2026年6月16日 | Draft ModeがV8.1に対応(コミュニティ報告) |
| 2026年7月24日 | V8.2がデフォルトに。V8.0アルファは終了 |
公式のデフォルトモデル発表によれば、V8.1は「より賢く、より一貫性があり、詳細なプロンプトへの追従性が高く、これまで以上に文字をきれいに描画する」モデルです。HDモードではV7の2倍の画像サイズ、4倍の解像度で出力できます。生成時間はSDでおよそ4秒、HDで12秒。標準ジョブは従来バージョンより約4~5倍高速です。現在もV8.1をあえて固定して使うユーザーは少なくありません。独立系の8.1/8.2ガイドも、Draft Mode、速度、文字の多い画像、そしてV8.1向けに調整済みの制作フローを理由にV8.1を推奨しています。
Midjourney V8.1プロンプトの組み立て方
V8.1で指示を安定して反映させるコツは、主役と重要な見た目の特徴を先に置き、パラメーターを最後にまとめることです。その間に入れる情報も、短く具体的にします。コミュニティのプロンプトガイドが推奨する順番は次のとおりです。
Main subject with its most important visible traits.
Closely attached subject details.
Foreground or action.
Background or environment.
Style or medium.
--ar 3:2 --v 8.1
同じコミュニティガイドによると、プロンプトの前半にある単語ほど、わずかに強く効きます。最初の名詞句には、Midjourneyに最も正確に描いてほしい要素を置きましょう。
文法も見た目に影響します。「A duck standing in a field」なら主役はアヒルです。一方、「A field with a duck standing in it」では野原が主役になります。登場する要素は同じでも、画像の焦点は変わります。
V8.1には、長さについて一見相反する2つのルールがありますが、どちらも根拠があります。blakecrosley.comのV7からV8への変更分析では、V8世代のモデルはV7よりも詳細で長い指示に対応しやすいとされています。V7では15語程度だったプロンプトも、追加した語句が具体的な場面描写になっていれば、40語ほどに増やすことで改善する場合があります。
ただし、文章そのものは短く具体的に保ちます。Prompt Shortenerは1,024文字を超えると避けられずに動作し、意図しない形でプロンプトを圧縮します。現在は変更内容も表示されるため、結果を確認してから使いましょう。同サイトのパラメーターガイドでは、実用上のスイートスポットを50~150トークンとしています。それ以上では効果が薄れ、形容や指示同士が打ち消し合い始めます。
V8.1の画像に文字を入れる方法
文字はダブルクォーテーションで囲み、画像内の状況と一緒に指示すると安定します。たとえば、ネオンサインに「OPEN 24/7」と表示する、といった書き方です。V8プロンプトの分析によると、シングルクォーテーションでは同じ文字描画の挙動になりません。経験上、安定するのは2~4語程度で、完全な文章になると崩れやすくなります。Redditで行われた火星ポスターの検証でも、大きな見出しは機能した一方、小さな文字は崩れ、行がずれたり判読不能になったりしました。長い本文を確実に入れたいなら、生成後に追加するのが無難です。
V8.1パラメーター一覧
V8.1では--ar、--s、--raw、--sd/--hd、--chaos、--weird、--no、--iw、--seed、--sref、--expを利用できます。一方、V7時代の一部の使い方は無視されるか、別のバージョンに振り分けられます。
| パラメーター | 範囲/デフォルト | V8.1での挙動 |
|---|---|---|
--v 8.1 | - | バージョンを固定。V8.2がデフォルトになった現在は必須 |
--ar | SDでは最大14:1、HDでは最大4:1 | 16:9と21:9はいずれの上限にも収まる |
--s(stylize) | 0~1000、デフォルト100 | 100未満で指示反映を優先。150~300でスタイルが目立ち、500以上では強くスタイライズされる |
--raw | フラグ | V7の--style rawに代わる指定。より文字どおりに解釈し、自動スタイルを抑える |
--sd / --hd | 1ジョブあたり0.8 / 1.3 GPU-min | HDではアップスケールなしでネイティブ2048pxを出力 |
--chaos | 0~100、デフォルト0 | 数値が高いほど、4枚の出力間でバリエーションが増える |
--weird | 0~3000、デフォルト0 | より型破りな美的表現になる |
--no | リスト | コミュニティガイドでは、対象を絞った除外を3~5個推奨 |
--iw | 0~3、デフォルト1 | 公式のImage Promptsドキュメントに準拠。画像のみのプロンプトでは--sや--weirdは使用不可 |
--seed | 任意の整数 | 同じプロンプトとシードなら約99%同じになるが、完全一致ではない(バージョンドキュメント) |
--sref / moodboards | --sw 0~1000 | V8.1ではコミュニティノートで「super stable」と説明されている |
--exp | 0~100、デフォルト0 | 10~25を推奨。高すぎるとスタイライズが強くなりすぎる |
上表の範囲、コスト、解像度、互換性はMidjourneyのVersionドキュメントに基づいています。--noの個数と--expの推奨範囲は独立系パラメーターガイドから、srefの安定性についてはV8.1コミュニティリリースノートから引用しています。
V6/V7時代の4つの指定は、V8.1では動作しません。--q(QualityはV7専用)、--cref/--cw(V6専用)、--niji(V8にNijiはない)、Turbo(V6/V7)です。--orefと--owはV8のインターフェース上では受け付けられますが、ジョブはV7経由で生成されます。そのため、V8らしくない画像になることがあります。公式の互換性表ではDraft ModeはV7専用と表示されていますが、7月27日に独立系の変更履歴へ追加された報告では、V8.1/V8.2で512×512の画像を24枚、0.4 GPU-minutesでDraft生成できたとされています。依存する前に、自分のアプリで動作を確認してください。
V8.1が指示を無視するときの4段階対策
V8.1が書いた要素を落としたときは、プロンプト全体を書き直すのではなく、次の順番で調整します。最初の名詞句を直し、スタイライズを弱め、それでも足りなければrawに切り替え、最後に当たり画像だけをHDで再生成する方法です。いずれも、確認されている失敗要因に対応しています。V8.1はV8.0アルファと比べ、美しさを重視する方向に調整され、指示への追従性がわずかに下がりました。
- 最初の名詞句を書き換える。前半の語ほど影響が強いため、カメラが別の対象に向くなら、描きたい対象を文法上の主語にします。
--sを100未満に下げる。コミュニティの検証では、スタイライズを弱めることで、美しさよりプロンプトの実行にリソースを振り向けられるとされています。--rawを追加する。V8.1のコミュニティノートでは、rawはデフォルトスタイルをより素の解釈に置き換える機能と説明されています。フォトリアル、建築、商用案件のように、見栄えより文字どおりの反映を優先したい場合の定番対策です。- SDで探し、当たりをHDで実行する。SDの品質はすでにV7のフル品質に匹敵するため、安価なグリッドで候補を絞り、シードを固定した1枚だけを2048pxで再生成します。
V7からV8への変更分析では、--noを何段も連ねるより、平易な英語で否定内容を説明したほうがよい場合もあるとしています。たとえば、--noを積み重ねるより、「見える窓がない室内」と書くほうがV8.1には伝わりやすいことがあります。また、プロンプトがモデレーションに繰り返し引っかかる場合、問題が話題になったスレッドでは、禁止事項を増やすのではなく、プロンプト自体を簡潔にする方向へ意見が集まりました。
V8.1、Nano Banana 2、Grok Imagineで5つのプロンプトを比較した実践テストは、このモデルの性格を次のようにまとめています。
「MidJourney V8.1 Alphaは、MidJourneyらしく振る舞うことに長けている」- u/lukmanfebrianto、r/midjourney
16:9サムネイル制作:プロンプトからYouTube向け画像まで
1280×720のYouTubeサムネイルをV8.1で作るなら、プロンプトに必要なのは--ar 16:9、小さく表示しても目立つ主役を1つ、そして2~4語の引用テキストです。あとは生成コストとの兼ね合いで進めます。まず安いSDで探し、HDは1回だけ使うのが基本です。
- 顔、製品、単一のオブジェクトなど、主役を1つに絞って先頭からプロンプトを書き、末尾を
--ar 16:9 --s 100 --v 8.1で終えます。 - オーバーレイする文字は、状況説明とともにダブルクォーテーションで囲みます。例:「SEASON 2」と書かれたポスター。
- SDで探索します。1グリッドあたり0.8 GPU-minutes、生成時間は約4秒です。候補を確認し、不要なものを捨て、シードを控えます。
- 当たり画像をRun as HDで再生成します。シードを固定したプロンプトをネイティブ2048pxで出力できるため、16:9のサイズにも十分対応でき、コストは1.3 GPU-minutesです。
- 引用した文字が崩れたり、過度にスタイライズされたりした場合は、
--sを100未満に下げるか、--rawを追加して同じシードで再実行します。
サムネイル1枚を作るためにSDで10グリッドを探索し、最後にHDで1枚仕上げる場合、合計は9.3 GPU-minutesです。11ジョブすべてをHDで実行すると14.3 GPU-minutesかかるため、差は小さくありません。どのモデルがこの用途に向くかは、別途実施したサムネイル向けモデルの比較テストで詳しく検証しています。
そのまま使えるV8.1プロンプトレシピ6選
以下は、すぐに使える完成形のプロンプトです。主役の名詞を入れ替え、構成と末尾のパラメーターはそのまま活用してください。
シネマティックな映画のワンシーン(21:9)
An engineer in a welding mask leans into the open chest of a colossal robot.
Exposed pistons and processors glow under blue-orange volumetric light.
Empty industrial hangar, drifting sparks. IMAX science-fiction film still.
--ar 21:9 --s 250 --v 8.1
エディトリアル系ビューティーポートレート(4:5)
Extreme close-up portrait of a woman with freckles and visible pores.
Golden-hour window light, shallow depth of field, silk couture collarbone detail.
Unretouched luxury-magazine editorial photograph. --ar 4:5 --s 200 --v 8.1
製品のヒーローショット(1:1)
A frosted-glass serum bottle stands on a travertine ledge, water droplets on glass.
Single softbox from upper left, seamless warm-gray studio background.
Commercial skincare photography. --ar 1:1 --s 75 --raw --v 8.1
料理のヒーローショット(3:2)
A medium-rare wagyu ribeye on a white fine-dining plate, red-wine jus and microgreens.
Candlelight, rising steam, Bordeaux glass slightly out of focus behind.
Michelin-star food photography. --ar 3:2 --s 150 --v 8.1
画像プロンプトを使った風景(16:9)
[image URL] Rugged Australian coastline at sunrise, mist over eucalyptus valleys,
long shadows across the cliff trail. --ar 16:9 --iw 2 --s 150 --v 8.1
参照画像は、あらかじめ16:9にトリミングしておきます。公式ガイダンスでも、参照画像のアスペクト比を目標画像に合わせることが推奨されています。--iw 2(範囲は0~3)を指定すると、構図を参照画像に寄せやすくなります。
YouTubeサムネイル(16:9)
A wide-eyed streamer in a hoodie reacts to a glowing portal opening behind her,
rim-lit face filling the left third, a poster reading "IT WORKS" on the right.
--ar 16:9 --s 75 --v 8.1
まずSDで生成し、採用した画像をRun as HDで仕上げます。オーバーレイの文字は2~3語に抑えるのがポイントです。
Midjourneyアプリ以外でV8.1プロンプトを実行する
同じサムネイル制作フローはAPI経由でも実行できます。1枚のメイン画像ではなく、チャンネル用に12枚のサムネイルをまとめて作る場合や、同じレイアウトでA/B案を用意する場合に便利です。AIReiterのMidjourney V8.1ツールページでは、月額プランではなく画像単位でV8.1を利用できます。0.8 GPU-minuteの探索パスをまとめて実行し、採用した画像だけHDで再生成する運用が可能です。
用途別:V8.1で選ぶべき設定
| 用途 | バージョン | モード | Stylize / raw |
|---|---|---|---|
| ヒーロー画像、ブランドの派手なビジュアル | V8.2(デフォルト) | HD | --s 300以上、rawなし |
| 落ち着いたV8の画づくり、調整済みの制作フロー | --v 8.1 | HD | --s 100~300 |
| 指示を忠実に反映したい商用案件 | --v 8.1 | SD -> HD | --s <100 + --raw |
| 文字入りサムネイル | --v 8.1 | SD -> Run as HD | --s 75、引用符付きテキスト |
| アニメ/マンガ | --niji 7 | - | NijiはV8にない |
| キャラクターの同一性を固定 | V7 + --oref | - | V8のジョブも結局はV7経由になる |
V8の美的表現を重視する場合、変更分析では、Midjourneyが--stylize 1000で学習済みのPersonalizationプロファイルを推奨していると報告されています。プロファイルは約40回の評価で有効になり、200回前後で安定します。これにより、プロンプトでは主役、動作、場所の指定に集中できます。
FAQ
V8.2がデフォルトになった現在、V8.1を強制的に使うには?
プロンプトに--v 8.1を追加するか、Web版のImagineバー設定またはDiscordの/settingsでV8.1をデフォルトに設定します。
V8.1における--sdと--hdの違いは?
SDは1ジョブあたり0.8 GPU-minutesで、生成時間はおよそ4秒です。HDは1.3 GPU-minutesで、約12秒かかります。アップスケール処理なしでネイティブ2048pxを出力できる点もHDの特徴です。なお、バージョンドキュメントによると、HD画像にPan、Zoom Out、Vary Regionを使うとSDに戻ります。
V8.1のプロンプトでは語順が重要?
多少は重要です。前半の語ほど少し強く影響し、文法上の主語が画像の焦点になりやすい傾向があります。最も重視する要素を最初の名詞句に置きましょう。
V8.1で--rawを使うべきタイミングは?
デフォルトの画づくりが案件に対して作り込まれすぎているときに使います。フォトリアル、建築ビジュアライゼーション、エディトリアルイラスト、そしてスタイルより指示の忠実な反映を優先する案件に向いています。V8.1の美的な提案を活かしたい探索用途では、rawを外しておくとよいでしょう。
--style rawはV8.1でも有効?
いいえ。V7の--style rawは、V8ファミリーで単独フラグの--rawに変わりました。どちらもMidjourneyの自動スタイルを弱める指定です。
V8.1で使えないパラメーターは?
--q(Quality)、--cref/--cw、--niji、TurboはV6/V7向けの機能です。--orefと--owは受け付けられますが、ジョブはV8.1ではなくV7経由で処理されます。