画像編集APIを選ぶなら、まずはNano Banana 2.1を標準にするのが無難だ。Artificial Analysisの編集ランキングでは、10月20日時点でKrea 3 Ultraが1151 Elo、Nano Banana 2.1が1152 Eloと、ほぼ互角。とはいえ2K編集あたりの料金は2.1のほうが安く、独立したブラインドテストでもわずかに上回った。ただし、承認済みの1枚に小さな修正を何度も重ねる編集チェーンでは話が変わる。公開済みの10回編集テストでは、Krea 3のほうがNano Banana Proより画像を大きく塗り替えなかった。
ランキングでNano Banana 2.1と並んだKrea 3はどのモードか
Nano Banana 2.1と同点になったのは、Krea 3のなかでも最も遅く、料金も高いUltraだけだ。APIの標準モードであるKrea 3 Fastは1125 Eloで11位。旧世代のNano Banana 2(1124)とほぼ同じ位置にいる。Nano Banana Proはさらに下の1106 Elo、16位だ。
信頼区間は±13〜±14で重なっており、Nano Banana 2.1、MAI-Image-2.6、Krea 3 Ultraはいずれも3〜6位の範囲に入る。つまり、この3モデルは実質的に同率だ。
ただし、Krea 3の3モードは別々の製品と考えたほうがいい。KreaのAPIドキュメントによれば、仕様は次のとおりだ。
| Krea 3のモード | AA編集Elo | 出力 | 領域編集 | 利用条件 | 1ジョブの所要時間 |
|---|---|---|---|---|---|
fast(デフォルト) | 1125(11位) | 1Kまたは2K | 対応 | すべてのAPIワークスペース | 数秒 |
high | ランキング対象外 | 1Kまたは2K | 対応 | すべてのAPIワークスペース | fastより遅い |
ultra | 1151(5位) | 2Kのみ | 非対応 | Maxプラン以上 | 最大約10分 |
ドキュメントによると、Ultraは複数の候補を生成し、プロンプトとの適合度を確認したうえで最良の1枚を返す。一方、編集範囲の外側をピクセル単位で維持するregional_editは使えない。Nano Banana 2.1と品質面で並ぶモードが、低ドリフト編集向けとは限らないわけだ。
独立テストが示した3つの異なる答え
ここで参照する3つの独立テストは、それぞれ測っているものが違う。どれか1つだけで勝敗を決めることはできない。
| ソース | 測定内容 | Krea 3の結果 | Nano Bananaの結果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|
| Artificial Analysis | 1回の編集に対する人間の比較投票 | Ultra 1151、Fast 1125 | 2.1:1152、Pro:1106 | 信頼区間が重なる |
| Voyagerのブラインドテスト | 約1MP、fal上で実施した200回の編集を3人のAI審査員が評価 | 2.1に157対208で敗北(引き分け81) | 2.1の審査スコアは7.20、Kreaは7.14 | 審査員間の一致度は0.44のみ |
| The Hypeの10回編集テスト | 連続10回編集で生じたピクセルの変化 | フレームの30.7%が変化 | Pro:74.2%が変化 | 1枚の画像、比較対象はProのみ |
編集品質はNano Banana 2.1がわずかに優勢
1回ごとの編集品質では、Nano Banana 2.1が小さくリードしている。Voyagerのブラインドテストでは、Krea 3に対するペア比較で57%の支持を獲得し、Krea 3の42%を上回った。品質設定同士の比較でも、2.1が208対157で勝っている。Artificial Analysisでは差が1 Eloしかなく、誤差の範囲内だ。
Kreaが公開しているAAカテゴリ別の分析では、UltraはAnimation & Gamingで2位、RetailとMarketing & Advertisingで4位。商品画像や広告用途では上位に入るものの、トップではない。
編集を重ねても元画像を保てるか:Krea 3が差を広げる場面
ここで参照するドリフトテストの比較対象は、Nano Banana 2.1ではなくNano Banana Proだ。The Hypeは、2048×2048ピクセルの写真1枚に対し、マスクを使わずKreaのAPIで10回連続編集を実施した。Krea 3は1回あたりフレームの3.8%、累計で30.7%が変化したのに対し、Proはそれぞれ12.6%、74.2%だった。10回目には、Proで霧が紫色に変わっていた。
「1枚の画像に編集を重ねる場合、Krea 3は写真を保ち続けるが、Nano Banana Proは少しずつ全体を塗り替えていく」— Yana Lialuke、The Hype、2026年10月15日のテスト
同じテストでは弱点も見つかっている。Krea 3が追加した人物は「石像のように見えた」のに対し、Proの人物は人間らしく見えた。
Kreaが「編集を連鎖させる安全な方法」と説明しているregional_editは、fastとhighでのみ利用できる。
参照画像まで含めるとKrea 3の編集はいくらかかるのか
Krea 3の表示価格は2K画像1枚あたり$0.06。ただし編集には少なくとも1枚の入力画像が必要で、Kreaでは参照画像の料金が別途加算される。1Kの参照画像は+$0.02、2Kは+$0.07、highの思考モードは+$0.02、ultraは+$0.20だ。
Nano Banana 2.1はトークン単位で課金される。2K出力はGoogleのGemini API料金ページで$0.0504。入力画像は100万トークンあたり$1.50で、参照画像1枚あたりの料金は1セント未満だ。Nano Banana Proは2K画像1枚あたり$0.134、入力画像1枚あたり$0.0011となる。
| 2K編集の定価(2026年10月21日) | 1K参照画像1枚 | 2K参照画像1枚 | 2K参照画像4枚 |
|---|---|---|---|
| Krea 3 Fast | $0.08 | $0.13 | $0.34 |
| Krea 3 High | $0.10 | $0.15 | $0.36 |
| Krea 3 Ultra | $0.28 | $0.33 | $0.54 |
| Nano Banana 2.1 | 約$0.05 | 約$0.05 | 約$0.05 |
| Nano Banana Pro | 約$0.135 | 約$0.135 | 約$0.138 |
1Kの参照画像を1枚使って月1万回編集する場合、Krea 3 Fastは約$800、Nano Banana 2.1は入力トークンを除いて約$504かかる。GeminiのBatch APIなら半額なので、約$252だ。Krea 3 Fastは、2Kの参照画像を複数送るまではNano Banana Proより安い。
Kreaによれば、ほとんどの編集では参照画像1枚あたり約1MPあれば十分だという。1Kに縮小した参照画像を使えば、Krea 3 Fastは1回あたり約$0.08に抑えられる。
Krea 3はNano Banana 2.1より速いのか
独立テストを見る限り、速度でKrea 3がNano Banana 2.1を上回ったとは言いにくい。Kreaが示す「8秒未満」という数字は、9月24日から10月1日にKrea自身のプラットフォームで計測した中央値だ。比較対象もNano Banana 2(27秒)とNano Banana Pro(33秒)であり、2.1ではない。
| 測定 | Krea 3 | Nano Banana |
|---|---|---|
| Kreaの公称値(Kreaプラットフォーム、キューを含む) | 8秒未満 | 2:27秒、Pro:33秒 |
| Voyager(fal、約1MP、中央値) | 13.0秒 | 2.1:11.7秒、Pro:16.0秒 |
| The Hype(Krea API、アップロードとキューを含む) | 編集1回あたり20〜36秒 | Pro:10回編集で4分59秒、Krea 3:5分56秒 |
| Krea 3 Ultra(Kreaのドキュメント) | 1回あたり最大約10分 | — |
Voyagerのテストでは、Nano Banana 2.1は全モデルのなかで、中央値と遅い10%の差が最も小さかった(11.7秒対13.1秒)。タイムアウトがあるパイプラインでは、中央値だけでなく、この安定性も重要になる。
料金以前に選択肢を決める機能上の制限
仕事によっては、料金を比較する前に片方のモデルが候補から外れる。参照元はKrea 3 APIのドキュメントとGoogleのNano Banana 2.1モデルページだ。
| 機能 | Krea 3(API) | Nano Banana 2.1 |
|---|---|---|
| 最大出力 | 2K | 4K($0.113) |
| 参照画像 | 最大8枚(5枚以上では1536pxにリサイズ) | 最大14枚(人物4枚、物体10枚) |
| テキストからの画像生成 | 対応(image_urlsを省略) | 対応 |
| ピクセル単位の局所編集 | fast/highのregional_edit | 同等のスイッチなし |
| 検索グラウンディング | 非対応 | Googleウェブ検索と画像検索 |
| バッチ割引 | なし | Batch APIで50%オフ |
| ゼロデータ保持 | Enterpriseのみ、fast/highのみ | モデルページに記載なし |
| LoRA/スタイル参照 | 「APIに近日対応予定」 | 非対応 |
| 編集内の文字とラベル | Voyagerのテストでは全モデルが7.8〜8.6の審査範囲で、明確な勝者なし | 同じ |
| 人物の追加 | The Hypeのテストでは「石像のように見えた」 | 2.1では未テスト、Proの人物は人間らしく見えた |
Krea 3とNano Banana Proの比較
Nano Banana Proと比べるなら、多くの編集用途ではKrea 3のほうが有力だ。Voyagerでは181対180で互角だったが、Artificial AnalysisではKrea 3 Fastの1125に対してProは1106。2K編集1回あたりの料金も$0.08対$0.135で、画像のドリフトは2倍以上大きかった。Proに残る優位点は、4K出力(画像1枚あたり$0.24)と、より自然な人物表現だ。
FAQ
Krea 3はNano Banana 2.1より優れている?
総合的な品質では、そうとは言い切れない。Artificial AnalysisではUltraが2.1と同点で、Voyagerのブラインド比較では2.1が208対157で勝った。Krea 3の強みは、繰り返し編集したときのドリフトの少なさだが、現時点で測定されている比較対象はProだけだ。
Krea 3はテキストから画像を生成できる?
できる。KreaのAPIでは、image_urlsを含まないリクエストをテキストからの画像生成として扱う。テキストだけでUltraを指定した場合も、実行されるのはfastとしてのリクエストで、料金もfastで計算される。
参照画像込みではどちらが安い?
Nano Banana 2.1だ。2K編集1回あたり約$0.05に加え、参照画像1枚あたりの料金は1セント未満。Krea 3 Fastは参照画像1枚で$0.08〜$0.13かかる。
Krea 3とNano Banana 2.1は参照画像を何枚まで受け付ける?
Krea 3はAPI経由で最大8枚を受け付ける(細部を完全に保つには4枚以下)。Nano Banana 2.1は最大14枚に対応する。
Krea 3は4K出力に対応している?
していない。Krea 3の出力は1Kまたは2K。Nano Banana 2.1とProはいずれも4Kを出力できる。
用途別の選び方
| 用途 | 選ぶモデル | 理由 |
|---|---|---|
| API経由の一般的な編集、コスト重視 | Nano Banana 2.1 | 2K編集1回あたり約$0.05、ブラインドテストで勝利、Voyagerのテストでも高速 |
| 承認済みの1枚に局所編集を繰り返す(ラベル、看板、色の変更) | regional_editを使うKrea 3 Fast | テスト上のドリフトが最小(比較対象はPro、2.1では未テスト)。それ以外の部分をピクセル単位で維持できる |
| 重要な最終編集を少数回、すでにKrea Maxを利用中 | Krea 3 Ultra | AAで2.1と同点。ただし1回あたり$0.28〜$0.54で、処理に数分かかる |
| 4K、印刷用途、または参照画像を8枚以上使用 | Nano Banana 2.1 | Krea 3は2Kと参照画像8枚が上限 |
| 急ぎではない大量バッチ | Nano Banana 2.1 Batch | 2K画像1枚あたり約$0.025 |
| リアルな人物を追加する編集 | Nano Banana 2.1またはPro | テストでは、Krea 3が追加した人物が像のように見えた |
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