Claude Opus 5 vs Sonnet 5:同じ予算ならどちらを選ぶべきか

最終更新日: 2026-07-25 05:10:39

2026年6月30日にSonnet 5が登場すると、r/ClaudeAIには価格表だけでは見えてこない不満がすぐに上がった。「高・xhighで同じ価格帯なら、Sonnet 5はOpusより悪くないか?」というものだ。

仕組みを端的に言い表した投稿もある。Sonnetは「トークン単価自体は安いが、タスクを終えるまでにずっと多くのステップとトークンを使うため、価格面の優位を失う」

この見立ては、ひとつの例外を除いて正しい。同じ予算でClaude Opus 5とSonnet 5を比べると、ほぼ全域でOpusが有利になる。1タスクあたりおよそ$2.30を超えると、Sonnetを1段階上のeffortで使うより、Opusを1段階下げたほうがコストも品質も優位だ。一方、そのライン未満と短い単発タスクでは、Sonnet 5が3.4倍安い。

Opus 5とSonnet 5、それぞれが得意な領域

Claude Opus 5Claude Sonnet 5
モデルIDclaude-opus-5claude-sonnet-5
提供開始2026年7月24日2026年6月30日
入力/出力(MTokあたり)$5 / $252026年8月31日まで$2 / $10、その後$3 / $15
バッチ入力/出力$2.50 / $12.502026年8月31日まで$1 / $5
effortティアlow、medium、high、xhigh、max(既定値はhigh)同じ5ティア(既定値はhigh)
拡張思考デフォルトで有効adaptive
コンテキスト/最大出力1M / 128kトークン1M / 128kトークン
知識カットオフ2026年5月2026年1月
トークン単価の割引なし現在はOpusより60%安く、9月1日以降は40%安い
最も向く用途長期間のエージェント実行、難しい推論、レビューコストが高い作業単発の抽出、高並行処理、レイテンシーが重要なUX
4タスクの簡易テスト4/4成功、出力1,182トークン、2.955¢4/4成功、出力858トークン、0.858¢

Opus 5を使った公開の長期エージェント評価はまだ存在しない。そのため、以下のタスク単価表ではOpus列にOpus 4.8を置いた。これは保守的な下限値として読むべきだ。両モデルの価格は同一であり、Anthropicはエージェント作業においてOpus 5が4.8を上回るとしている。

予算を揃えたClaude Opus 5対Sonnet 5の比較が成り立つのは、両モデルがベータヘッダーなしで、共通の5ティアに対して同じeffortパラメータを受け取るためだ。モデルを切り替えるのではなく、ダイヤルを回して能力を買える。価格はClaude Platformの価格ページを参照し、2026年7月25日に確認した。

effortパラメータのAnthropic Claude Platform Docsページ。Claude Fable 5、Claude Mythos 5、Claude Opus 5、Claude Opus 4.8、Claude Sonnet 5などが対応モデルとして並び、Claudeはデフォルトでhigh effortを使用すると記載されている

effort別に見るコストの逆転点

ティアごとの数値は、Datacurveによる長期エージェントのリーダーボードDeepSWE v1.1から取った。

  • マージ済みPRの流用ではなく新規に作成された113タスク。これが汚染なしという主張の根拠になっている
  • 91リポジトリ、5言語
  • 全モデル共通のハーネスを使用し、各タスクを4回実行
  • 最終更新は7月21日。Opus 5の提供開始3日前

したがってOpus列にはOpus 4.8を置いており、未確定なのはOpus 5が4.8より1タスクあたり多くのトークンを使うかどうかだけである。

EffortSonnet 5の$/taskOpus 4.8の$/taskSonnet ÷ OpusSonnet pass@1Opus pass@1
low$2.19$2.290.95x30.5%40.8%
medium$4.08$3.441.18x39.8%48.7%
high$7.43$4.281.73x48.2%51.8%
xhigh$11.89$8.011.49x49.7%54.4%
max$26.40$13.222.00x53.8%59.0%

Sonnet 5が安くなるのはlowの1ティアだけだ。そしてこのティアでは、pass rateを10.3ポイント譲ることになる。

トークン単価が安くても請求額が増える理由

原因は冗長な出力ではない。ステップ数だ。

EffortSonnet 5の中央値ステップ数Opus 4.8の中央値ステップ数Sonnetのタスクあたり入力Opusのタスクあたり入力
low70474.5M2.4M
max26011672.4M17.0M

読むテキスト量が4倍にもなれば、トークン単価60%オフでは吸収できない。

ドル建ての数値を信頼できる理由

まず注意点として、DeepSWEは料金計算の基準を公開していない。

一方、7月13日にClaude Code内で両モデルの全5ティアを対象にした別の24タスク実行がある。DeepSWEのSonnet列を、標準料金$3/$15に対する導入料金$2/$10の比率である0.67倍にすると、両データセットは全ティアで0.03以内に収まる。

独立した2つのタスクセットで、mediumとhighの間に同じ逆転点が現れた。この一致は、DeepSWEがSonnetを標準料金で計算していたことの有力な裏付けにもなる。

ただし、その実行の著者は、記事からリンクされているハーネスStetを開発・販売している。ベンダー自身のテストとして扱う必要がある。

同じ予算で比較するなら、見るべきはティア差

同じティア同士の表は、実際には問いを取り違えている。利用者が買うのはeffortティアではなく、ある予算で得られる成果だ。その視点でClaude Opus 5とSonnet 5を価格比較すると、結論の並びが変わる。

以下では、Sonnet 5の各構成について、そのpass rate以上を最小コストで達成するOpus 4.8のティアを示した。導入料金列は、標準料金に0.67を掛けた推定値である。

Sonnet 5の構成Sonnet pass@1Sonnet $、標準Sonnet $、導入料金(推定)同等以上となる最安のOpus 4.8ティアOpus $Opus pass@1導入料金Sonnetに対するOpusコスト品質差
low30.5%$2.19$1.47low$2.2940.8%1.56x+10.3pp
medium39.8%$4.08$2.73low$2.2940.8%0.84x+1.0pp
high48.2%$7.43$4.98medium$3.4448.7%0.69x+0.4pp
xhigh49.7%$11.89$7.97high$4.2851.8%0.54x+2.1pp
max53.8%$26.40$17.69xhigh$8.0154.4%0.45x+0.5pp

最後の2列を上から追うと分かりやすい。検討していたSonnetよりOpusを1ティア下げるだけで、導入料金と比べても16%から55%安く、同等以上のpass rateを得られる。例外は最下段だ。low effortでは導入料金のSonnet 5が36%安い代わりに、pass rateは10.3ポイント低い。

逆の結論にも合理性はある

最初のスレッドのあるコメントは、公式チャートのmedium effortに着目している。成功率はOpusが68%、Sonnetが62%で、価格はOpusが約$7、Sonnetが$4.50。「このテストでは、成功率が10%未満しか上がらないのに価格が55%増える」という読み方だ。

失敗してもコストが発生しない仕事なら、その判断は妥当だ。しかし、悪い差分が本番環境まで届く仕事では成り立たない。

どちらの見方も、誰か別のタスク分布に乗っている。自分のタスクを20〜50件用意し、トークン単価ではなく成功完了あたりのコストで評価するほうが、このページのどの表より有用だ。

同じ$5/$25でもOpus 5では何が変わるか

Opus 5のローンチ価格はOpus 4.8と完全に同一だ。そこで残る第3の軸が、1タスクあたりのトークン数になる。現時点の証拠は両方向を示している。

Opus 5のタスク単価が下がることを示す材料タスク単価が上がることを示す材料
Anthropicは、Opus 5がFrontier-Bench v0.1で首位に立ち、「Opus 4.8の性能を2倍以上にしつつ、タスクあたりコストは低い」と報告している(ベンダー自身の実行結果であり、独立再現はない)Opus 4.8では無効だった拡張思考が、デフォルトで有効になっている
匿名の法律分野パートナーでは、max reasoning時のトークン数が約26%減ったとされる(Anthropic経由の情報で、方法論は示されていない)自前の4タスクでは、Opus 4.8の出力が380トークン、Opus 5は1,182トークンだった

どちらに転ぶ可能性もあるため、予算を確定する前に自分のリポジトリでコスト列を再計測したい。

Opus 5のコストを手早く削ろうとする場合には、もうひとつ落とし穴がある。thinking: {"type": "disabled"}が受け付けられるのはhigh以下だけで、xhighまたはmaxでは400を返す。移行前には、Opus 4.8とOpus 5の破壊的変更も確認しておくべきだ。

Sonnet 5が強い領域:短い単発タスク

2026年7月24日、両モデルに4つの小さなタスクを実行させた。評価は印象ではなくスクリプトで行っている。内容は、kth_smallestの2つの不具合修正、固定キー順と自己整合チェックサムを伴う厳密なJSON出力、答えが65となるフロベニウス数の問題、そしてシグネチャを維持しコメントをゼロのままバリデーションを追加するリファクタリングだ。

両モデルとも4件すべてに成功した。差が出たのはメーター上である。

Claude Sonnet 5Claude Opus 5
成功したチェック4/44/4
4タスクの出力トークン数8581,182
合計レイテンシー13.7s24.6s
導入/標準料金での出力コスト0.858¢ / 1.287¢2.955¢
同じ4タスクにおける出力トークンの米セント建てコストを示す横棒グラフ。MTokあたり$10の導入料金ではSonnet 5が0.858セント、標準の$15ではSonnet 5が1.287セント、$25のOpus 5は2.955セント

検証済みの出力は同じで、現在のSonnet料金ならOpus 5は3.4倍、キャンペーン終了後でも2.3倍のコストがかかる。所要時間はSonnetのほうが半分強だった。さらに、2つのコーディングタスクをClaude Codeのファーストパーティチャネルでも繰り返したところ、Sonnet 5は出力240トークン、Opus 5は465トークンで、同じ傾向を示した。

ただし、この数値より重要な制約が3つある。

  • モデル・タスクごとに1回しか実行していない。ベンチマークではなく簡易テストだ。
  • ゲートウェイが可変のシステムプロンプトを注入し、入力トークン数を課金計算に使えなかった。そのため公式の出力料金だけでコストを算出した。
  • 短いプロンプトは4件のみで、これはコミュニティの議論が対象外としていた領域だ。70ステップを要するタスクはなく、ステップ数の急増も再現していない。

この範囲では、Sonnet 5の割引はそのまま残る。ある開発者もまさにこの形の仕事として、推論をほとんど必要としない「単発抽出を行うドキュメント中心のエージェント」を挙げ、「Opusでは過剰」と述べている。

数値を見るときに押さえたい2つの日付

2026年6月30日:公式コストチャートが改訂された

AnthropicのClaude Sonnet 5発表には変更履歴の注記がある。当初のコスト性能チャートは、「エージェント型検索評価で標準的に使う手法を反映していない単純な方法論」を用いており、その結果「評価におけるSonnet 5の性能を過小評価していた」という。

チャートと周辺の説明は、システムカードにあるBrowseCompの方法論に合わせて改訂された。そこでは「コンパクションとプログラムによるツール呼び出しを使用し、10Mトークンの予算」を用いている。

そのチャートを引用する場合は、どの改訂版かを確認し、キャプションも読む必要がある。Sonnet 5は標準料金の$3/$15で計算され、導入料金なら実際のコストはチャートより低くなることが注記されている。Opus 4.8の価格は$5/$25としている。

2026年9月1日:導入料金が終了する

Sonnet 5の導入料金が終了すると、公開されている全料金は50%上がる。Opus 5は$5/$25のままだ。公開時点から終了までの猶予は37日であり、その後も現在の料金を基にした支出モデルは誤りになる。

この種の議論では、ここに直接は当てはまらない別の日付も引き合いに出される。Claude 4.7のトークナイザーはSonnet 4.6より、同じテキストに対しておよそ30%多くのトークンを生成する。そのためSonnet 5とSonnet 4.6をトークン単価だけで比べると、実際の値上がりを過小評価する。ただしOpus 5とSonnet 5は同じトークナイザーを共有するため、両者比較ではこの差は相殺される。

予算別の選び方

Claude Opus 5対Sonnet 5は、単一の勝者を決める話ではなく、3つのルーティングルールに分かれる。しきい値はOpus枠にOpus 4.8を置いたDeepSWEの平均タスク単価なので、リポジトリ作業の試験開始点であって、リサーチエージェント、サポートパイプライン、文書ワークフローにそのまま使える定数ではない。

  • 1タスクあたりおよそ$2.30未満なら、Sonnet 5をlow effortで使う。 エージェント作業でも価格優位が維持される唯一の構成だが、pass rateは30.5%になる。単発の抽出、分類、出力が限定される作業なら、この設定に留まり、自前テストで確認した3.4倍の差を取れる。ある開発者はSonnet 5を「作業の90%ではOpusに十分近く、しかも比較にならないほど速い」と表現した。人が待っている場面では重要な違いだ。
  • 1タスクあたり約$2.30〜$8なら、Sonnetを1ティア上げるよりOpusを1ティア下げる。 通常の基準としてはOpus medium、レビューで見落とすミスが高くつくならOpus highがよい。Opus 5ではトークン単価は同一でもタスクあたりトークン数が未計測なので、この価格帯はテストの出発点として扱う。
  • $8を超えたら、Sonnetのダイヤルを上げ続けない。 DeepSWEではSonnet 5のmaxは1タスク$26.40で53.8%、Opus 4.8のxhighは$8.01で54.4%、Fable 5のlow effortは$3.76で59.6%に達した。AIReiterではOpus 4.8をMTokあたり$1.56/$7.76で提供しており、リスト価格より約69%低い。ただし同社のClaudeラインアップにはまだOpus 5がない。

FAQ

Claude Opus 5はSonnet 5より高い?

トークン単価では高い。$5/$25に対し、Sonnet 5はプロモーション中で$2/$10なので、2026年8月31日までは2.5倍、以降は1.67倍だ。ただし、完了したタスクあたりでは順序が逆転し得る。しかもこれは少数の暴走実行ではなく中央値でも確認できる。DeepSWEのmax effortにおける中央値コストは、Sonnet 5が$23.28、Opus 4.8が$12.35だった。

Claude Sonnet 5の料金はいくら?

2026年8月31日までは入力100万トークンあたり$2、出力100万トークンあたり$10。9月1日からは$3と$15になる。この上昇は公開済みの全料金で50%だ。5分キャッシュ書き込みは$2.50から$3.75へ、1時間キャッシュ書き込みは$4から$6へ、キャッシュヒットは$0.20から$0.30へ上がる。バッチ料金はプロモーション期間中$1/$5だ。

安いモデルなのに、なぜ最終的なコストが高くなる?

課金はタスク数ではなくステップ数に応じて増えるからだ。Sonnet 5の中央値ステップ数はeffortダイヤルに沿って70から260まで増え、Opus 4.8は47から116にとどまる。maxではSonnetの入力読み取り量がタスクあたり72.4Mトークンに達し、Opusの17.0Mに対して4倍以上になる。各トークンが60%安くても、この読み取り量は相殺しきれない。

Opus 5はSonnet 5よりかなり優秀?

単発試行ではそう言える。DeepSWEではOpus 4.8がSonnet 5をpass@1で3.5〜10.3ポイント上回り、差はlow側で最も大きかった。

ただし、両者に4回の試行を与えると差はほぼ消える。high effortではSonnet 5のpass@4が79.6%、Opus 4.8が77.9%。maxでは78.8%と79.3%だった。Sonnetも到達できるが、より多くの試行が必要で、そのたびにコストがかかる。

Sonnet 5の9月1日の値上げで結論は変わる?

逆転点は上ではなく下へ動く。Sonnet 5のトークン単価優位は60%から40%へ縮小する一方、Opus 5は$5/$25を維持するため、予算を揃えた表のすべての組み合わせでSonnetは不利になる。導入料金ではOpus lowより36%安かったSonnet lowも、標準料金ではおよそ4%安いだけになる。

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