今週中にFLUX 3を組み込む計画なら、結論はシンプルです。公開APIはまだありません。Black Forest LabsのFLUX 3モデルページには、モデル名の上に今も「COMING SOON」と表示されています。用意されているのは招待制の早期アクセスで、対象は現時点では動画のみです。
現時点で利用できるもの・できないもの
2026年7月27日時点で確認したBlack Forest Labsの情報は、いずれも同じ状況を示しています。
7月23日の発表記事では、4つの機能がそれぞれ異なるタイムラインで提供されると説明されています。モデルページには「Get Started」ではなく「COMING SOON」と申請フォームがあり、料金ページにもFLUX 3の記載はありません。
| 機能 | 2026年7月27日時点の状況 |
|---|---|
| FLUX 3 Video | 早期アクセス中。申請が必要で、ネイティブ音声を含む |
| FLUX 3 Image | 未開放。BFLは早期アクセスを「今後数週間以内」に開始すると案内 |
| FLUX 3 Action | 研究パートナーおよび商用パートナー限定 |
| FLUX 3 Dev(オープンウェイト) | 提供予定は確認済み。日程は未定 |
| 公開API + プライベートウェイト | 動画・画像の両方で将来の提供項目として記載 |
1回の生成で出力できるのは、同期音声付きで最長20秒です。BFLが公開したベンチマーク動画は720p・10秒でした。20秒を超える映像は、1本を長時間レンダリングするのではなく、クリップをつなげて作る想定です。
コスト試算をしたい開発者にとって、料金ページは特に重要な判断材料です。料金計算機に載っているのはFLUX.2 flex、pro、max、klein 4B、klein 9Bに加え、Outpainting、Eraser、VTOです。ページ上部のタブはFLUX.2、FLUX Tools、FLUX.1のみ。FLUX 3はフッターのナビゲーションリンク以外には見当たりません。
つまり、FLUX 3については動画の秒単価も、画像のメガピクセル単価も、クレジット換算も未発表です。予算を組むための料金体系はまだ存在しません。
FLUX 3早期アクセス申請フォームの内容
モデルページにある「Request early access」を押すと、「FLUX 3 Early Access Request」というTallyフォームが開きます。入力にかかる時間は約1分です。
項目は6つで、必須なのはそのうち3つです。
- 名・姓・メールアドレス(必須)
- 申請対象(必須):自分自身、または自社
- 役職 / ロール(任意)
- FLUX 3を何に使う予定ですか?(自由記述)
クレジットカードの入力、会社ドメインの確認、待機順位の表示はありません。フォームには「フィードバックの提供と可能性の共有にご協力いただくため、FLUX 3の最新機能への無料早期アクセスをリクエストしてください」とあります。少なくとも登録自体は無料です。一方で、早期アクセス中の生成量に上限があるか、料金が設定された後にその利用分をどう扱うかは記載されていません。
最も重要なのは最後の自由記述欄です。フォームには「ユースケースと適合性に基づいて優先順位を決定し、登録された場合はメールでご連絡します」と明記されています。BFLは選考の詳細を説明していないため、早めに申請する価値はあります。ただし、自分でコントロールできる材料は、ここに書くユースケースだけです。
申請者から聞かれるのは、所要日数の案内よりも返答がないという話です。7月27日、発表から4日後に@BennettWaisbrenは「How do yall have access to flux 3 I've been waiting to be approved for it for like a week almost」と投稿しました。期間の表現は大まかで、アクセス申請は公式発表より前から受け付けられていましたが、不満の焦点は返答が来ないことです。一方で、1日か2日で生成できた人もいます。@ostrisaiは7月24日にクリップを投稿し、@SamJWassermanは7月26日に最長20秒の制限でアクセスできたと報告しています。いずれも個人の報告であり、承認期間の分布を示すものではありません。
公開された回答期限も、待機位置を確認する方法もありません。承認日を納品計画に組み込むことはできません。
BFLの勝率データをどう読むべきか
発表記事には、音声付き・720p・10秒のテキストから動画生成クリップにおける選好評価が掲載されています。FLUX 3は、以下のモデルより好まれたとされています。
| 比較対象 | FLUX 3が選好された割合 |
|---|---|
| Luma Ray 3.2 | 93% |
| Runway Gen-4.5 | 77% |
| Grok Imagine Video | 最大69% |
| Kling v3 Pro | 60% |
| Happy Horse v1 | 59% |
| Happy Horse 1.1 | 57% |
| Seedance 2.0 | 52% |
| Gemini Omni Flash | 52% |
表の上位より先に、下位の数値を見るべきです。Seedance 2.0とGemini Omni Flashに対しては52%で、ほぼ拮抗しており、これだけで導入判断を下すべきではありません。BFLはサンプル数や信頼区間を公開しておらず、データ全体を暫定的なものと位置づけています。早期アクセス期間中に数値が変わることも想定しています。
この比較が測っているのはあくまで選好です。レイテンシー、失敗率、同時実行時のスループット、モデレーションの挙動は含まれていません。実運用のキューで動画モデルを使い続けられるかどうかは、通常こうした要素で決まります。ここにある情報だけで、FLUX 3 APIの公開まで開発・提供を止める理由にはなりません。
FLUX 3 APIを待たずに今週リリースするなら
必要な出力形式ごとに判断を分けるのが現実的です。
静止画。 同じファミリーで現在実運用に使える世代はFLUX.2で、料金も公開されています。7月27日時点のBFL料金計算機では、FLUX.2 [pro]の1024×1024画像は1枚あたり$0.030です。公開料金は以下のとおりです。
| モデル | 最初の1 MP | 追加MP |
|---|---|---|
| FLUX.2 [max] | $0.07 | $0.03 |
| FLUX.2 [flex] | $0.05 | $0.05 |
| FLUX.2 [pro] | $0.03 | $0.015 |
| FLUX.2 [klein] 9B | $0.015 | $0.002 |
| FLUX.2 [klein] 4B | $0.014 | $0.001 |
月10,000枚なら、proとklein 4Bの差はおおよそ$300対$140です。proが必要だと決めつける前に、パイプラインの想定ボリュームでkleinを試す価値があります。FLUX.2はBFLのダッシュボードで取得したAPIキーを使って直接呼び出せます。モデルごとに別の請求関係を増やしたくないなら、FLUX.2 Proのようなゲートウェイ経由も選択肢です。
音声付き動画。 これはFLUX 3に期待されている中心機能ですが、納期があるなら待てません。現時点でネイティブ音声付き動画を生成でき、料金も公開しているモデルは2つあります。BFL自身の数値でFLUX 3に対して52%とされたSeedance 2.0は秒単価制、Veo 3.1は呼び出し単価制です。7月27日時点でSeedance 2.0のゲートウェイ料金は、480pで1秒あたり$0.065、720pで$0.165、1080pで$0.365、4Kで$0.73です。Veo 3.1は1回あたり$1.25です。各ベンダーから直接利用する場合の料金は異なるため、採用前に両方を確認してください。いずれにしても、FLUX 3が掲げる20秒クリップを720pで作るコストは、現時点でおよそ$3.30です。FLUX 3にはない、予算に入れられる数字です。
20秒のワンテイク。 現行の動画APIは1回あたりの生成上限がもっと短いものが多いため、同一の参照画像を維持しながらクリップを連結する方法が現実的です。BFLもFLUX 3で20秒を超える場合には同じアプローチを説明しており、「agentic chaining of individual clips into longer, multi-shot sequences」と呼んでいます。
今作るべきなのは交換可能な設計
統合の外枠は今から作れます。ただし、モデルアダプターを確定させることはまだできません。
まずは具体的な実装を先に進めましょう。生成API全般の予防策として、出力はすぐにダウンロードし、自前のストレージから配信する設計にしてください。こうしたサービスの配信URLは短期間で失効することが多く、エンドユーザーへの提供を前提としていないためです。リトライも2種類に分けるべきです。429はバックオフして再試行し、モデレーションによる拒否は再試行しません。モデルIDをキーにリクエスト単位のコストを記録しておけば、モデルを差し替えたときにも比較可能な数字を残せます。
コード内で推測する代わりに、前提条件の管理表を作ってください。未確定項目ごとに1行を割り当て、参照元リンクと確認日を記録します。
| 未確定項目 | 2026年7月27日時点の状況 |
|---|---|
| モデルID | 不明。公開情報なし |
| エンドポイントの形式 | 不明 |
| 認証方法 | FLUX 3では不明。FLUX.2はダッシュボードのAPIキーを使用 |
| 料金単位 | 不明。料金計算機に掲載なし |
| レート制限と同時実行数 | 不明 |
| 商用利用条件とデータ保持条件 | 早期アクセスについては不明 |
現時点で、FLUX 3について確定済みとして扱える項目はありません。
避けるべきなのは、もっともらしいモデルIDをハードコードすることです。ファミリー内の命名規則は契約ではありません。FLUX.2のエンドポイントから、FLUX 3の仕様を推測することもできません。
FAQ
FLUX 3 APIは今すぐ使えますか?
いいえ。2026年7月27日時点で、公開FLUX 3 API、公開モデルID、エンドポイントのドキュメントはいずれもありません。動画へのアクセスは申請を通じて個別に付与されます。
FLUX 3 APIの料金はいくらですか?
不明です。BFLはFLUX 3について、どの単位でも料金を公開しておらず、料金計算機にも掲載していません。FLUX.2はメガピクセル単位で課金され、最初の1メガピクセルは$0.014から$0.07ですが、動画・音声モデルがこの単位を引き継ぐ可能性は低いため、この価格帯は参考値ではなく無関係なものとして扱うべきです。
FLUX 3の早期アクセスを受けるには?
bfl.aiのFLUX 3モデルページからリンクされているフォームで申請します。項目は6つ、所要時間は約1分で、支払い情報は不要です。BFLはユースケースと適合性に応じて優先順位を付け、登録された場合のみメールで連絡するとしています。そのため、返答がないことは不承認通知と同義ではありません。
FLUX 3はオープンウェイトで公開されますか?
BFLは、FLUX 3 Devというオープンウェイト版を予定していることを確認しています。画像、動画、音声、アクション予測に対応するマルチモーダルバックボーンを対象とします。公開日、ライセンス条件、パラメータ数は未発表です。
FLUX 3をComfyUIで使えますか?
まだ使えません。ComfyUIワークフローにはダウンロード可能なウェイトが必要ですが、FLUX 3 Devはまだリリースされていません。現在のFLUX向けComfyUIワークフローは、FLUX.1およびFLUX.2のチェックポイントで動作します。
