2026年最安のLLM APIは?検証済み価格と用途別おすすめ

最終更新日: 2026-07-30 10:13:49

2026年7月時点で、最安クラスのLLM APIは入力100万トークンあたり0.1セント未満です。なかでもGroqのLlama 3.1 8B Instantは、入力100万トークンあたり$0.05、出力$0.08。今月、プロバイダー公式の料金ページで確認した価格です。

ただし、表示料金だけで実際の支払額は判断できません。DeepSeekではプロンプトキャッシュによって実効入力単価を50〜120分の1まで下げられ、Gemini、Mistral、GroqではバッチAPIでさらに50%割引になります。リスト価格だけを比べると、コストを余計に払うか、ワークロードに合わないプロバイダーを選びかねません。ここでは、2026年7月30日に各社の料金ページで確認した安価な選択肢と、用途ごとにどれを選ぶべきかを整理します。

2026年7月時点で安いLLM API一覧

最安帯にあるのは、フロンティアラボの最上位エンドポイントではなく、小型モデル、効率重視で調整されたモデル、あるいは推論特化事業者が提供するモデルです。以下は主要プロバイダーとの直接契約における通常の従量課金価格です。無料枠の列には、利用できる無料オプションがある場合を記載しています。セルフホスティングと期間限定プロモーションは対象外です。

モデル(プロバイダー)入力 / 100万出力 / 100万キャッシュヒット入力無料枠最も向く用途
Llama 3.1 8B Instant(Groq)$0.05$0.08$0.025あり通常料金の最安値
GPT-OSS 20B(Groq)$0.075$0.30$0.0375あり低価格かつ1000 tok/s
Gemini 2.5 Flash-Lite(Google)$0.10$0.40ありバッチ利用時の最安入力単価($0.05)
Ministral 3B(Mistral)$0.10$0.10Leanstral(期間限定)低価格で入出力同額
DeepSeek V4 Flash(DeepSeek)$0.14$0.28$0.0028なし推論用途の最安候補
Mistral Small 4(Mistral)$0.15$0.60−90%なしバランス重視の汎用利用
Gemini 3.5 Flash-Lite(Google)$0.30$2.50あり大規模マルチモーダル処理
最安LLM APIの比較:標準従量課金における入力・出力100万トークンあたりの価格、2026年7月検証

価格の下限はGroqのLlama 3.1 8Bで、入力$0.05/出力$0.08です。この表にあるモデルで、出力単価がこれに並ぶものはありません。Gemini 2.5 Flash-Liteが入力$0.05になるのは、通常料金$0.10とは別のバッチ料金だけです。低価格帯で推論性能を求めるなら、DeepSeek V4 Flashが候補になります。

GPTやClaudeより安い理由

低価格の背景には大きく3つあります。Llama 3.1 8B、Ministral 3B、Flash-Liteシリーズのような小型または効率重視モデル、GroqやDeepSeekのように低コストなインフラで推論を提供する事業者、そしてバッチ処理とキャッシュ済みトークンへの割引です。この表の大半はオープンウェイトモデル(Llama、DeepSeek、Mistral)です。一方、Gemini Flash-LiteはGoogle独自のプロプライエタリモデルですが、大量利用を取り込むために低価格で設定されています。オープンウェイトをセルフホストすれば、非常に大きく安定したトラフィックではさらに安くなる可能性があります。ただしハードウェアと運用のコストを負担する必要があるため、多くのチームにとってはホスト型APIが比較の基準になります。

本当の最安値は無料枠

「最安」を無料と考えるなら、ここで挙げた複数のプロバイダーに無料オプションがあります。GroqとGoogleのGemini Flash-Liteファミリーはレート制限の範囲内で無料、MistralはLeanstralを期間限定で無料提供しており、GitHub Modelsもトークン付きの無料アクセスを提供しています。Googleの無料枠では、リクエストがプロダクト学習に利用されます。これは有料枠にはありません。いずれもレート制限は厳しく、SLAもありません。無料オプションは無料AI APIガイドで別途まとめています。プロトタイプを超えて使うなら、重要なのは上表の有料プランです。

表示単価だけでは見えない:キャッシュとバッチで実コストは変わる

入力トークンのリスト価格順に並べただけの料金表は、重要な差を見落とします。実効価格を桁違いに変える要素が3つありますが、多くの料金表では省略されるか、目立たない場所に記載されています。

「LLM APIの低価格をめぐる大きな錯覚」— モデルの見出し価格の裏で、キャッシュ読み出し料金が請求額の大半を占めていたことを扱うr/LocalLLaMAのスレッド。

プロバイダーはキャッシュ済み入力、新規入力、出力を別々に課金します。安く見える入力単価が、請求額に占める割合としては最小ということも珍しくありません。比較時に見るべきポイントは次の3つです。

  • プロンプトキャッシュ。過去に送信したプロンプトの先頭部分をプロバイダーが再利用できると、キャッシュされた部分は通常の入力単価のごく一部になります。DeepSeekでは、V4 Flashのキャッシュ済み入力は100万トークンあたり$0.0028で、新規入力の$0.14に対して50分の1です。V4 Proでは$0.0036に対して$0.435で、120分の1になります。Groqはキャッシュ済み入力を半額にし、Mistralは90%引きです。長いシステムプロンプトや文書のプレフィックスを共有するワークロードで、キャッシュ対応プロバイダーを使わなければ、リクエストごとに全額を支払うことになります。
  • バッチAPI。GoogleMistralGroqはいずれも、24時間〜7日間の枠内で処理するリアルタイム性不要のジョブに対して、およそ50%オフを提供しています。Gemini 2.5 Flash-Liteのバッチ料金では、入力単価は$0.05まで下がります。サブ秒の応答を必要としない夜間要約、大量分類、データセットのラベリングは、バッチに回すべきです。
  • 出力が多いワークロード。コード生成、長文作成、エージェントループでは、読み込む量より生成するトークンのほうが大幅に多くなります。Llama 3.1 8Bは入力コストが近いGemini 2.5 Flash-Liteと比べても、出力$0.08対$0.40のため、こうした用途で有利です。生成量がボトルネックになるなら、入力単価ではなく出力単価で並べ替えてください。

選定前のチェック項目はシンプルです。プロンプトはキャッシュしやすいか、ジョブはリアルタイムか、入力より出力が多いか。この3つの答えによって、見出しの単価以上に上の表の順位は入れ替わります。

用途別:コストを抑えやすいLLM API

以下の選定では、最小モデルを上回る一定の性能が必要という前提を置いています。単純な価格だけなら、すべての行でLlama 3.1 8Bが候補になります。ここでは、その性能ラインと、キャッシュ・バッチが使える場合の実コストを合わせて評価しています。

用途最安候補理由
一般チャット/分類Mistral Small 43B/8Bクラスを上回る中規模の汎用モデル。$0.15/$0.60
コーディング/エージェントループGroq GPT-OSS 20BまたはLlama 3.1 8B出力は$0.08未満、840〜1000 tok/sでループも高速
推論/難しいプロンプトDeepSeek V4 Flash$0.14/$0.28、推論向けに調整され、キャッシュ割引も大きい
長文コンテキストの文書処理Gemini 3.5 Flash-Lite大きなコンテキストウィンドウと、試用できる無料枠
リアルタイム/レイテンシ重視Groq(任意のモデル)低価格でありながらスループットも高く、840〜1000 tok/s
大量処理/夜間ジョブGemini 2.5 Flash-Lite(バッチ)バッチ入力$0.05、非同期処理なら50%オフ

アグリゲーターと直接契約、安くなるのはどちらか

DeepSeekGoogleGroqMistralと直接契約すれば、同一モデルにおけるトークン単価は最安です。その代わり、APIキーと請求がプロバイダーごとに分かれ、どこかでレート制限がかかった際のフェイルオーバーも手動で組む必要があります。キャッシュやリトライのロジックも、異なる4つのSDKに対して実装し直さなければなりません。

アグリゲーターが売っているのは、この運用負荷の差です。OpenRouterはプロバイダー料金に5.5%のプラットフォーム手数料を加算し、それ以外の上乗せはありません。その代わり、APIキーと請求を一本化でき、この一覧にあるモデル間で自動フェイルオーバーも利用できます。OpenRouter自身の解説では、損益分岐の目安を月額$50前後としています。これ未満なら、5.5%の手数料は複数プロバイダーを接続するエンジニアリング工数より安くなりやすく、これを超えると単純なコストでは最安プロバイダーとの直接契約が有利になるのが一般的です。ただし、実際の分岐点は、統合するはずだったプロバイダー数やトラフィック変動の大きさで変わります。

アグリゲーターは、多数のモデルを1つのOpenAI互換エンドポイントで提供する

AIReiterのようなリセラー型ゲートウェイにも同じことが言えます。DeepSeek、Gemini、Groq、Mistralの前段に1つのOpenAI互換エンドポイントを置くため、クライアントを書き換えず、モデル名を変更するだけでモデルを切り替えられます。

よくある質問

最も安いLLM APIは?

2026年7月時点のこの比較では、GroqのLlama 3.1 8B Instant100万トークンあたり入力$0.05/出力$0.08で、通常のオンデマンド料金として最安です。Gemini 2.5 Flash-Liteもバッチ料金なら入力$0.05になりますが、通常料金は$0.10です。

コーディング向けで最も安いLLM APIは?

コード生成とエージェントループでは、出力価格と速度の面から、GroqのGPT-OSS 20B($0.075/$0.30)またはLlama 3.1 8B($0.05/$0.08)が有力です。Groq以外でコーディング向けに調整されたモデルが必要なら、MistralのDevstral Small 2は$0.10/$0.30で低価格な選択肢です。

無料のLLM API枠だけで本番運用できる?

通常は難しいでしょう。Groq、Gemini Flash-Lite、GitHub Modelsの無料枠には毎分のリクエスト上限があり、稼働保証もありません。プロトタイプには十分ですが、初期テストを終えたら上表の有料プランへ移行してください。

アグリゲーターやリセラーAPIは直接契約より高い?

トークン単価だけなら、わずかに高くなります。OpenRouterはプロバイダー料金に5.5%を加算し、リセラー型ゲートウェイにも同様の間接コストが含まれます。ただし、利用額が低い場合や、複数プロバイダーの統合を自前で保守する必要がある場合は、総コストでは安くなることがあります。手数料が利便性を上回る水準では、逆に高くなります。

最安のLLM APIを月額で使うといくら?

月間で入力1000万トークン、出力500万トークンを使う場合、Groq Llama 3.1 8Bは約$0.90です(入力$0.50+出力$0.40)。Gemini 2.5 Flash-Liteは通常料金で約$3.00、バッチでは$1.50です。同量をフロンティアクラスのプロプライエタリモデル(入力100万トークンあたり$5以上)で処理すると、何倍ものコストになります。

結論:まず設定すべきこと

プロバイダーが対応しているならプロンプトキャッシュを有効にし、リアルタイム性の不要な処理はバッチへ回してください。この2つだけで、プロバイダーの乗り換え以上にコストを削減できます。