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GLM-5.3 vs DeepSeek V4 Pro:コーディング性能、価格、利用方法を比較

最終更新日: 2026-08-14 07:00:11

GLM-5.3は2026年8月14日に登場しました。Z.aiによれば、GLM-5.2からコーディング性能を50%向上させ、CyberGymで84.5%を記録する新たなサイバーセキュリティ機能も備えています。一方のDeepSeek V4 Proは、APIをフル提供し、MITライセンスのオープンウェイトも公開済みです。モデルカードではSWE-Bench Verified 80.6%、NISTの独立評価では81%を記録しています。大きな違いは、GLM-5.3に公開APIがまだないことです。現時点で使えるのは、Z.ai管理下のZCodeとGLM Coding Planのみ。この一点が、両者を比べるうえで決定的な差になります。

比較すべきはモデル性能だけでなく、利用形態の違い

DeepSeek V4 Proは、MITライセンスのオープンウェイトをHugging Faceで公開し、api-docs.deepseek.comにはAPIドキュメントも用意しています。SiliconFlowなどのサードパーティーによるホスティングにも対応。自前でホストすることも、OpenAI互換クライアント経由で利用することも、Claude CodeやCline、自作スクリプトから呼び出すことも、今日から可能です。

GLM-5.3は対照的な方針を採っています。Z.aiのローンチ発表によると、モデルはGLM Coding PlanとZ.ai独自のコーディングIDEであるZCodeでただちに利用できます。ただし、APIとオープンウェイトの提供は「厳格な安全性評価」の後になる予定です。つまり、model: glm-5.3というエンドポイントはなく、Hugging Faceからのダウンロードもサードパーティー推論もできません。Z.aiは時期を明らかにしていません。

コーディング性能:ベンダー発表と独立検証済みスコアの差

GLM-5.3とDeepSeek V4 Proは、どちらもエージェント型コーディングを主戦場とする中国発の大規模MoEモデルです。ただし、その性能を裏付ける材料の成熟度は同じではありません。

Z.aiの発表では、GLM-5.3は743Bのベースモデルをポストトレーニングしたバリアントとされています。新アーキテクチャではなくポストトレーニングによって、「トップクラスのコーディングおよびエージェント能力」を実現したという位置付けです。中国語の発表には、GLM-5.2比でコーディング性能が約50%向上、Terminal-Bench 3.0でオープンモデル首位、ホワイトボックスのコードレビューではMythos 5と同等という具体的な主張もあります。参考までに、GLM-5.2はZ.aiのリリースノートによればTerminal-Bench 2.1で81.0を記録。当時のオープンウェイトモデルでは最高スコアで、Claude Opus 4.8の85.0に次ぐ結果でした。

DeepSeek V4 Proの数値には独立した検証があります。Hugging Faceのモデルカードでは、SWE-Bench Verifiedが80.6%、HumanEval Pass@1が76.8です。NISTのCAISI評価でも、SWE-Bench Verifiedは81%と独立して測定されています。アーキテクチャは総パラメータ数1.6T、アクティブパラメータ49BのMoEで、コンテキスト長は100万トークン、最大出力は38.4万トークンです。

項目GLM-5.3DeepSeek V4 Pro
アーキテクチャ743Bベース、ポストトレーニング総計1.6T / アクティブ49BのMoE
コンテキストウィンドウ未公表(GLM-5.2:100万)100万トークン
最大出力未公表(GLM-5.2:128K)384Kトークン
コーディングベンチマークTerminal-Bench 3.0でオープンモデル首位(ベンダー発表)SWE-Bench Verified 80.6%(モデルカード + NIST)
サイバーセキュリティCyberGym 84.5%、ホワイトボックスレビューはMythos 5相当同等の訴求なし
オープンウェイト安全性評価後に提供予定MITライセンス、現在利用可能
API未提供提供中(公式 + SiliconFlow)

Terminal-BenchとSWE-Benchは、測っている対象が異なるベンチマークです。Terminal-Benchはターミナル操作タスクを実行するエージェントを評価し、SWE-Bench Verifiedは自動生成されたプルリクエスト用パッチを評価します。したがって、Terminal-Bench 3.0の順位とSWE-Bench Verifiedの百分率を直接比較することはできません。

GLM-5.3は、DeepSeek V4 Proにはないサイバーセキュリティという軸も打ち出しています。Z.aiはCyberGym 84.5%を根拠に、このモデルを「サイバー防御に対応できる」と位置付けています。ただし、これらはベンダー自身が報告した値であり、まだ独立検証されていません。確定的な評価ではなく、方向性を示す材料として見るべきでしょう。Z.aiはさらに、GLM-5.3がGLM-5.2より少ない出力トークンで「より良い結果」を出せると説明しています。この効率が独立テストでも維持されるなら、タスク単価の低下につながります。

月額制か従量課金か:本当に見るべきコスト

GLM Coding Plan pricing tiers

DeepSeek V4 Proは、公式APIで100万トークンごとの従量課金を採用しています。

トークン種別DeepSeek公式API
キャッシュなし入力$0.435 / 100万トークン
キャッシュ済み入力$0.003625 / 100万トークン
出力$0.87 / 100万トークン

GLM-5.3は、GLM Coding Planのサブスクリプションでのみ利用できます。

プラン月額利用枠
Lite$18週10,000クレジット
Pro$80Liteの6倍の利用量
Max$168Liteの14倍の利用量

GLM Coding Planでは、1クレジットが何トークンに相当するかを定義していません。そのため、両者の料金を厳密に比較することはできません。DeepSeekはほぼ初期コミットメントなしのトークン課金、GLM Coding Planは利用量にかかわらず毎月定額です。

DeepSeek API vs GLM Coding Plan monthly cost comparison

DeepSeekで具体的に計算してみます。1日あたりキャッシュなし入力100万トークン、出力200万トークンという中程度のコーディングセッションでは、API料金は月額およそ$65です。これを1日あたり入力500万、出力1,000万トークンまで増やすと、月額は$326に達します。繰り返し扱うコードベースであれば、$0.003625/Mのキャッシュ済み入力によってコストを大きく下げられます。GLM側では、月額$168のMaxプランなら従量課金の想定外の請求は避けられますが、同等のワークロードをカバーできるかは、非公開のクレジット・トークン換算次第です。

Redditで語られている実使用感

最近のr/ZaiGLMのスレッドでは、両モデルを使ったというユーザーが次のようにコメントしています。

「GLMよりタスク処理は速かったが、かなり多くの手取り足取りの指示が必要だった。」

同じスレッドには、GLMをコーディングやリポジトリの探索に、DeepSeek V4 Flashをコードレビューに使うマルチモデル運用の報告もあります。また、DeepSeek V4 Proが利用可能になってから約24時間しか経っていないため、早期の判断には慎重であるべきだという指摘もありました。いずれも単一コミュニティの個人報告であり、統制されたベンチマークではありません。

用途別のおすすめ

状況おすすめ
今すぐAPIやCI/CD連携が必要DeepSeek V4 Pro — GLM-5.3には公開APIがない
データ所在地の要件からセルフホストしたいDeepSeek V4 Pro — Hugging FaceでMITライセンスの重みを公開済み
主にIDEでコーディングし、管理型アシスタントを使いたいGLM-5.3 — GLM Coding PlanまたはZCode経由
予算を抑えたい個人開発者DeepSeek V4 Pro — 少量利用ならトークン単価で安い。GLM Lite(月額$18)なら利用額を固定できる
セキュリティ監査や脆弱性調査まずGLM-5.3を試す — CyberGym 84.5%は独自性があるが、独立検証は未実施
長時間セッションで大規模なエージェント型コーディングを行うGLM Coding Plan Max(月額$168、定額) — 利用枠がワークロードをカバーできるか確認が必要
既存コードがほとんどない新規プロトタイプどちらでも可 — 新規コードは両方対応可能。利用形態の好みで選ぶ

すでにGLM-5.2 Coding Planを使っているなら、同じサブスクリプション内でGLM-5.3へ移行するのがもっとも手軽です。DeepSeek V4 ProのAPIが必要な場合は、エンドポイント設定と料金最適化を解説したDeepSeek V4 Pro GA API guideを参照してください。前世代のGLMも含めて比較したいなら、GLM-5.2 vs DeepSeek V4 Proの比較記事もあります。

FAQ

GLM-5.3に公開APIは提供される?

はい。Z.aiは、安全性評価の後にAPIアクセスとオープンウェイトを段階的に公開するとしています。具体的な日付は発表されていません。

どちらのモデルもセルフホストできる?

DeepSeek V4 Proは可能です。MITライセンスの重みがHugging Faceで公開されています。1.6TパラメータのMoEを非量子化(FP16)で動かすには約3.2TBのVRAM、4ビット量子化でも約800GBが必要です。つまり、H100またはH200を用いたマルチGPUクラスターが必要になります。GLM-5.3はまだセルフホストできません。安全性評価後のオープンウェイト公開が予定されていますが、ライセンスは未公表です。

毎日ヘビーにコーディングするなら、どちらが安い?

利用量次第です。1日あたり入力100万、出力200万トークンでは、DeepSeek V4 Proは月額およそ$65です。入力500万、出力1,000万トークンまで増えると$326になります。GLM Coding Plan Maxは月額$168なので、この高利用量ではDeepSeekより安くなります。ただし、非公開のクレジット利用枠でそのワークロードをまかなえる場合に限られます。契約前に、実際の利用パターンで両方を試すのがよいでしょう。

GLM-5.3は画像やビジョン入力に対応している?

いいえ。Z.aiはビジョン機能を、GLM-Vモデル群(GLM-5V-Turbo、GLM-4.6V、GLM-OCR)として別系統で提供しています。GLM-5.3はテキストとコード向けのモデルです。DeepSeek V4 Proもテキスト専用です。

問うべきは性能差より、使えるタイミング

GLM-5.3は、スペック上ではより強力に見えます。コーディング性能50%向上、独自のサイバーセキュリティ領域、そして優れたトークン効率を掲げているからです。しかし、これらは公開から数時間のローンチ発表に基づくベンダー報告であり、APIもオープンウェイトもなく、独立したベンチマーク検証もまだありません。DeepSeek V4 Proには、現時点のGLM-5.3にはない強みがあります。利用可能なAPI、検証済みベンチマーク、そしてデプロイできる重みです。APIアクセスやセルフホストが必要なら今はDeepSeekを使い、GLM-5.3のAPI公開後に自分のコードベースで直接比較するのがよいでしょう。